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変化 62 ページ32

入り組んだ路地裏を走り、やっと明るい光が大きくなっていく。





少し先には、携帯を耳に押し当てている黒子君が見えた。





男「待てえぇえ!!」





背後から迫る男の声にギョッとして振り返ると、もうすぐそこまで来ている。




なにあいつ!!


ボルト並に早すぎるんですけど!?




再び脚に力を込めて路地裏から飛び出したその時





黒「!?Aさんダメです!!」






黒子君が目を見開いてこっちに手を伸ばす。





え──────?




視界に入ったのは、焦る彼の顔と赤色の信号。





私の脚は横断歩道の上にあった。





ここまでくれば嫌でも理解してしまう。





これから何が起きるのか





目の前に迫る大きな車体は、スローモーションで向かってきてるように見えた。




耳をつんざくようなブレーキ音が、黒子君の叫び声と重なって不協和音になる。





そうだ




思い出した




私は、あの時もこうやって─────





道路に飛び出して、迫り来る大きな怪物を見ていたんだ。

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作者名:舞和 | 作成日時:2017年3月10日 14時

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