依存系カップル【nqrse】

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「ただいまー。」

いつもと同じようにドアを閉めながら家の中に声をかけても返事が返ってこない。少し駆け足でAを探す。
リビングにも居なくてお風呂場も探したけど居なかったから最後はAの部屋になった。
コンコン、ってノックしても反応が無かったからドアを開ける

「……あ……な、る…せ…ちゃ、ん…？」
「そうだよ、ただいま。」

部屋の中に充満する鉄の匂いに少し顔を歪む。
ピンクの絨毯に座り込むAの側にはカッターが転がっていて、何回も血を拭いたのか血の滲んだティッシュが転がってる。左腕をAがティッシュを押さえてるけどまだ血が止まってないのか血が滲んでる。

「偉いね、ちゃんと押さえて。」

そう言って頭を撫でればえへへ、と嬉しそうに笑う。

「ピンクをね？汚したくなかったの。」

俺が褒めたのと頭を撫でたのが嬉しかったのか笑顔で言ってくれる。今日はね？と話してくれるAの話を聞きながら包帯と消毒液を取り出して手当てする。包帯の巻き方なんて知らなかったはずなのに皮肉な事に慣れてしまった手つきで包帯を巻いていく。

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