午前5時前の甘いキス。06 ページ6
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「あー、泣くなよ。」
あの後の事は、正直あまりよく覚えてない。
ただこの人の目が鋭くあの男達を睨みつけていた事しか覚えてない。
『あんまり女泣かしてちゃモテたくてもモテないよ。』
『行くぞ。』
ただ、それだけ言うと彼は荒々しくも優しくあたしの手を掴んで歩き出した。
明るいコンビニの前の駐車ブロックに座ってポロポロ泣くあたしの前にしゃがみ込んだまま、
彼はずっと「泣くなよ」と繰り返した。
「…ぅ、ヒック…」
あからさまに眉を寄せた困った顔をする彼が、
空を見上げた後、両手で顔を覆って泣くあたしの顔から手を離した。
「行くぞ、」
もう一度、あたしの手首を掴んで立ち上がらせた。
コンビニに止めたバイクにまたがって、後ろを2,3度ポンポンと叩いた。
「これ着て乗って。」
優しくかけられる声と、乱暴に投げ渡される上着を羽織って恐る恐る後ろに乗った。
後ろへ乗ったあたしの手は彼に捕まれた後に彼の前へと回された。
そして、彼はこっちに顔すら向けずに言った。
「ちゃんと捕まっとけ。」
心地よく響く声と、秋の夜空の下。
冷たい風を感じながらバイクの大きな音と共に、走りだした。
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十逢 - ☆抹茶ぷりん☆さんと同意見で実はうちも思ってたんですよ!桃井ちゃん可愛いのに小説すくねぇなー、と!なんで書いちゃいましたね笑 まじですか!応援されてると思うと頑張れる!ありがとうございます! (2014年12月23日 0時) (レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 赤司君とのお話し大好きです!!一目見た日に一気読みしちゃいました笑 リスペクトです、ほんと(*^^*) 「尊敬」の一言につきますよ!文才分け与えてほしいです(*´∇`*) (2014年12月23日 0時) (レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
☆抹茶ぷりん☆ - 桃井ちゃんとの恋愛物ってあまり無い気がするんですよね。だから、すっごく新鮮で好きですっ!!更新頑張ってください!応援してます!! (2014年12月23日 0時) (レス) id: 8c00b7f1df (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖.(プロフ) - 十逢さん» ひぇぇぇえ;;私なんぞの作品読んでくださいましたか。ありがとうございます(*´-`)憧れの作者さんだなんて照れます(//’-’//) (2014年12月22日 23時) (レス) id: ba84b43ebf (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 角砂糖.さん» 角砂糖さんの小説、いつも読まさせていただいています!憧れの作者さんからコメントをいただけで光栄です…!! 桃井ちゃんはガンガン行く系な女子の気もするんですけど、自分が書いてる男主が男主なので…(笑)コメントありがとうございました! (2014年12月22日 23時) (レス) id: e7b369ef52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十逢 | 作成日時:2014年12月14日 14時