午前5時前の甘いキス。39 ページ39
.
「寒いのに。」
そう言って三瀬さんが微笑む。
エンジンを切ったバイクはいつもと違って静かだった。
「三瀬さんが会いに来てくれたんじゃないですか。」
「よく言うよ。……けど、間違ってはない。」
三瀬さんから聞けた予想もしない言葉に、「え?」と聞き返すと。
「今日は、なんか会いたかった。」
静かな低音でそう言われた。
……嘘!?今の言葉三瀬さんが言ったの…?
体中が熱くなっていく。冷たいはずの空気なのに。
「どっか行く?」
「え!?いいんですか……?」
「いいよ。」
この時、三瀬さんが一体何を考えていたのか。
けどどこか遠くを見て居るような目はわかって、胸騒ぎがした。
「行きたいとこ、連れて行く。」
「今日は……」
今日は、どうしよう。
「……どこにも行かなくていいです。」
「は――?」
「後ろに、乗せてくれるだけで。」
今は、どうしようもなく三瀬さんを近くに感じたかった。
……女の勘ってこういう時に働く。
今を逃したら三瀬さんが遠くに行ってしまいそうな気がした。
「……了解。」
三瀬さんが、いつものようにあたしへと上着を投げ渡した。
「それ着て、捕まって。」
何も言わずにまたがったバイクの後ろ。
いつもよりも力を込めて三瀬さんの背中に抱き着いた。
…暖かい温度に、何故か胸が痛くなった。
.
66人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十逢 - ☆抹茶ぷりん☆さんと同意見で実はうちも思ってたんですよ!桃井ちゃん可愛いのに小説すくねぇなー、と!なんで書いちゃいましたね笑 まじですか!応援されてると思うと頑張れる!ありがとうございます! (2014年12月23日 0時) (レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 赤司君とのお話し大好きです!!一目見た日に一気読みしちゃいました笑 リスペクトです、ほんと(*^^*) 「尊敬」の一言につきますよ!文才分け与えてほしいです(*´∇`*) (2014年12月23日 0時) (レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
☆抹茶ぷりん☆ - 桃井ちゃんとの恋愛物ってあまり無い気がするんですよね。だから、すっごく新鮮で好きですっ!!更新頑張ってください!応援してます!! (2014年12月23日 0時) (レス) id: 8c00b7f1df (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖.(プロフ) - 十逢さん» ひぇぇぇえ;;私なんぞの作品読んでくださいましたか。ありがとうございます(*´-`)憧れの作者さんだなんて照れます(//’-’//) (2014年12月22日 23時) (レス) id: ba84b43ebf (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 角砂糖.さん» 角砂糖さんの小説、いつも読まさせていただいています!憧れの作者さんからコメントをいただけで光栄です…!! 桃井ちゃんはガンガン行く系な女子の気もするんですけど、自分が書いてる男主が男主なので…(笑)コメントありがとうございました! (2014年12月22日 23時) (レス) id: e7b369ef52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:十逢 | 作成日時:2014年12月14日 14時