午前5時前の甘いキス。14 ページ14
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桐皇学園が見えて来た頃、三瀬さんは少しずつスピードを落とした。
名残惜しくもありつつ、あたしもスピードが落とされていくと比例するように三瀬さんから体を離した。
「寂しいの?」
ふいに前から聞こえた、低音。
慌てて三瀬さんの方へと顔を上げると、三瀬さんは少しだけ顔をこっちに向けてクスっと笑った。
「そんな顔してるけど、違う?」
「ち、違いますよ!」
「冗談だっつの、」三瀬さんはそう言って、今度は笑った。
あ……。
あの時と、同じように八重歯が覗いた。
「笑った顔は、ちゃんと子供っぽいんですね。」
「は?」
きょとんとする三瀬さんの顔も、あどけなさが残って子供っぽい。
あたしも思わず笑って、「三瀬さんは、大人っぽいですから。」と、言おうと口を開いた。
「三瀬さんは、」そこまでいうと「いいよ。」と言う言葉に遮られた。
……その、「いいよ」って一体どういう意味なの?頭の中でいろんな仮説を生み出そうとする。
「俺に、いちいち敬語使わなくていいよ。」
「それは、でも三瀬さんも先輩ですよね?」
「だろうけど、敬語使ってもらう様な大層な人間じゃないから。」
バイクが完全に止まる前、三瀬さんは独り言のようにぼそりと呟いた。
「着いたよ。」振り向いた三瀬さんの顔は、優しくて冷たい印象なんか全然なかった。
……こんな顔も、見せてくれるんだ。
「……桃井?」
ボーっと見惚れていたあたしに三瀬さんが不思議そうにあたしの名前を呼んだ。
その声にはっと我に返って慌ててバイクから降りたあたしの頭に、バイクに乗った三瀬さんの手が触れた。
「え……っ」
驚いてそんな間抜けな声がもれると、三瀬さんは「んじゃ、な。」と一言言って片手を上げた。
……離れて行く背中が見えなくなるのを、あたしはずっと見つめていた。
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十逢 - ☆抹茶ぷりん☆さんと同意見で実はうちも思ってたんですよ！桃井ちゃん可愛いのに小説すくねぇなー、と！なんで書いちゃいましたね笑 まじですか！応援されてると思うと頑張れる！ありがとうございます！ (2014年12月23日 0時) (
レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 赤司君とのお話し大好きです!!一目見た日に一気読みしちゃいました笑 リスペクトです、ほんと(*^^*) 「尊敬」の一言につきますよ！文才分け与えてほしいです(*´∇｀*) (2014年12月23日 0時) (レス) id: 9318851bac (このIDを非表示/違反報告)
☆抹茶ぷりん☆ - 桃井ちゃんとの恋愛物ってあまり無い気がするんですよね。だから、すっごく新鮮で好きですっ!!更新頑張ってください！応援してます!! (2014年12月23日 0時) (レス) id: 8c00b7f1df (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖.(プロフ) - 十逢さん» ひぇぇぇえ;;私なんぞの作品読んでくださいましたか。ありがとうございます(*´-`)憧れの作者さんだなんて照れます(//’-’//) (2014年12月22日 23時) (レス) id: ba84b43ebf (このIDを非表示/違反報告)
十逢 - 角砂糖.さん» 角砂糖さんの小説、いつも読まさせていただいています!憧れの作者さんからコメントをいただけで光栄です…!! 桃井ちゃんはガンガン行く系な女子の気もするんですけど、自分が書いてる男主が男主なので…（笑）コメントありがとうございました! (2014年12月22日 23時) (レス) id: e7b369ef52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十逢 | 作成日時：2014年12月14日 14時
