21つ目の仮面 ページ22
「…緊張、してるようじゃな。
そんな風に笑っていても、我輩達にはお見通しなんじゃよ？」
『………あはは、やっぱり、バレちゃいます？
そりゃ、緊張しますよ…。』
楽屋で、メイクを整え、衣装を着て、落ち着かせていると、五奇人のメンバーが入って来た。
「だいじょうぶですよ〜…♪
『みんな』で『さくせん』をたてたんですから…♪」
『…そう、ですね。
みんなにも、考えてもらって完成したライブ、ですもんね。』
ライブ前に、奏汰先輩の優しい笑顔で、こんなにも癒されるとは思ってなかった。
大丈夫だ、いつも通りで行こう。
「全く…そんな顔をするのはやめたまえ。
これから歓声を浴びる者の顔ではないのだよ。」
『えっ、俺どんな顔してるんですか。』
「マヌケな顔をしているのだよ。」
皮肉のようなその言葉も、優しさだとわかるから、心が温かくなる。
「…大丈夫ですよ、何故なら貴方は愛されています。
これは、負けるためのライブではありません。
しっかり、勝利をつかんできてください☆」
思い出す、渉先輩と北斗の負けるためのライブ。
…あんな、心が痛くなるライブは、もう見たくもないし、見せたくもない。
『勝ち負けじゃないけど…
あいつに、目を覚ましてもらえるように、このライブは成功させます。』
あぁ、今の笑顔は少しぎこちなかったな。
なんて、すこし反省してみる。
『…えっ、夏目は何も言ってくれないの！？
みんな一言ずつくれる流れじゃないの！？』
「それじゃあ、集中したいだろうし」みたいな雰囲気で出て行こうとする五奇人を見て、思わず焦ってしまう。
夏目は、俺を見て、「うっ」みたいな顔をする。
少し、顔を赤らめながら、目を逸らしながら、目の前まで歩いてくる夏目。
…えっ、俺、叩かれたりしないよな？
流石に、ライブの直前にそんなことないよな？
なんて考えは杞憂だった。
夏目は俺を抱きしめて、
「大丈夫、ボクたちがいるヨ。
ボクたち五奇人…ううン、ボクが、隣にいるかラ。
君は安心して、舞台で笑ってるといイ。
ただ…
【舞台が終われば、その仮面を外して、ボクらに素顔を見せてね】」
「…ッそれじゃア、ボクらは行くヨ！！ほら、にいさん達！いくヨ！！！」なんて俺が返事をする前にさっさと楽屋を出ていく夏目。
…あぁ、なんだか泣きそうだ。
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そぬん - 涙が止まらなかったです…。五奇人が笑顔でライブをするというのを空想上ではありますが見れて、良かったです。最高のエンドでした!! (2020年7月17日 0時) (
レス) id: 5ad600b11d (このIDを非表示/違反報告)
sakurasaku(プロフ) - あ、あれ……。おかしいな……。最後辺り読んでから目から塩水が止まんねぇ……。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: e53f230869 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 今更ながらコメントして申し訳ありません。感動しました。奇人…夏目…いいですね…でも1番の推しはこの小説の主人公くんですね…素敵な小説をありがとうございます。 (2019年11月25日 21時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい - まだ7つ目ですがスバルくんの発言に思わず吹き出してしまいました。今から続き読みます！ (2019年1月10日 0時) (レス) id: 69cadf1e76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくんのストーカーのストーカー - ニックネームあれですけど私も夏目最推しです！(漢字あってますかね？)最近夏目多くないですか？私無課金なので、凄くキツイです...最後まで読ませていただきました！とても面白かったです！ (2018年3月27日 10時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Satori | 作成日時：2017年8月2日 17時
