桜花51 ページ9
マズい
そう考える前に、咄嗟に顔をセトから逸らした
読まれたら、私がAだってバレたら
心臓がドクドク嫌な音を立てて、冷や汗が背中を伝った
「…やっぱ、嫌っすよね?自分の心の中に入り込まれるなんて…」
はは、と、自虐的な彼の笑いが耳を突き抜けた
「…っ」
そっとセトの方を見ると、セトは哀しそうな笑顔を浮かべてこちらを見た
「…でも、こんな俺の能力も、ちょっとだけ役に立った時期があったんす
きっと信じてもらえないと思うっすけど、俺、神様と友達だったんすよ!」
友達「だった」
過去形な言葉に胸が痛くなる
「…今はどこにいるか、分からないんすけどね」
そう言った彼の目に、じわりと雫が浮かんだ
「…結局、何も伝えられなかった
Aさんって言う、すげえ可愛い人なんすよ?
大好きだった…いや、今も大好きな人なんすけどね」
拳で涙を拭って、こっちを向いて笑う
「ったく俺ったら、サクラさんまだここに来たばっかりなのにこんな暗い話…ごめんっす!」
「…!」
*
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美氷空 リリサ(プロフ) - このお話が大好きです。復活を待っています! (2016年5月11日 19時) (レス) id: 5c6f171aa0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 初めまして。普段、小説で全く泣かないわたしが、ガチで泣きました。復活、待ってます (2016年2月20日 13時) (レス) id: 3ca84cc2aa (このIDを非表示/違反報告)
木戸 凛々(プロフ) - 何で更新停止にしちゃったの…?フユキ。久しぶりだね。復活するの、待ってるからね? (2016年2月8日 23時) (レス) id: efc1932227 (このIDを非表示/違反報告)
七見(プロフ) - この作品いいですね。更新頑張って下さい (2015年10月3日 21時) (レス) id: 45331de9c8 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - カノ〜 かっこいー(*ノωノ) (2015年10月3日 20時) (レス) id: f2a7332dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フユキ | 作成日時:2015年7月31日 20時