【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

お遊戯会の練習 2 ページ34

紙芝居を一通り読んで皆に桜組流の長靴をはいた猫を知ってもらったあと、配役を決めることになりました。ちなみに配役はこんな感じ。

三男[カラバ公爵]→2人
猫→2人
長男→1人
次男→1人
国王→1人
姫→1人
オーガ→1人
家来→3人
農民[貴族]→12人


これについての説明はまたの機会にお話します。残りの人数がダンスになるんですけれども…。


風間:おれがカラバこうしゃくをやる！

園児:ぼくもやりたい！

園児:ぼくもー！


……まぁ、ある意味当たり前の光景なので…。カラバ公爵役は後に回して、先に他の役を決めたいと思います。あ、先にダンスをしたい子達は決めてしまいました。


貴方:じゃあ、猫役やりたい人いるかなー？

原田:せんせー、おれそれがいいんだけど

貴方:左之君、猫役がやりたいの？

原田:あぁ。ダメか？

貴方:ううん、大丈夫よ。他にいるかなー？


そんな感じで配役を決めていき、残ったのはカラバ公爵2人とオーガ[悪い役]が残りました。どうしてもカラバ公爵をやりたい子が3人、ちー君なら分かると思いますが…意外や意外、なんとトシ君もカラバ公爵がやりたいみたいです。


風間:さいしょはぐー！

土方:じゃんけん！

3人:ポン！

貴方:あ…


パーが2人、グーが1人。グーを出してしまったのは……ちー君でした。カラバ公爵役になったトシ君達はかなりのご満悦。一方、物凄く怒った顔をして…では無く、物凄く泣きそうな顔で私に抱きついて来た。


風間:なぜだ…なぜおれがあくやくにならねばならんのだ…！ズルいぃ…！！


よっぽどカラバ公爵[と言うか、多分主役]をやりたかったんだと思う。ちー君は珍しく皆がいる目の前で泣き出してしまった。


貴方:残念だったねちー君…。でもね、この役がいないと物語が進まないの。ちー君の役は、物語の中で1番大事な役なの。だからお願い、頑張ってやってみよ？ね？


ちー君に分かってもらえるよう頑張って説得する。勿論、これは気休めでしかない。誰だって主役がやりたいし、悪役なんてやりたく無いと思う。…でもちー君は、私の言葉に小さく頷いてくれた。


風間:まかされたやくは…きちんとやらねば…いかぬからな。ふふくだが…ちゃんとやる…。

貴方:ちー君…！ありがとう、頑張ろうね‼


そう言って、私はちー君を力一杯抱き締めた。…さぁ、いよいよお遊戯会の練習開始です！

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