【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

お泊まり会 6 ページ31

薄桜幼稚園名物、肝試しを行った後は就寝の時間。今日は体育館に布団を敷いて皆で雑魚寝状態です。勿論、知っての通り桜組の子達はすぐに寝る子達では無いのである物を用意しました。それは映画。

体育館のスクリーンに2時間を超える長編アニメーション映画を映し、取り敢えず観ながら寝てもらうのが今回の作戦です。ちなみにかなり有名な映画なので、園児達の殆どが知っている映画です。

最初は興奮気味だった園児達でしたが、普段のお昼寝同様に寝かしつけながら体育館を静かに歩き回る。1時間が過ぎた頃、園児の半分位女は眠ってしまっていた。


けれど、映画が終わった23時過ぎ。この時間になっても寝てくれない子が1人だけいた。キュッとエプロンの端を掴んだまま離してくれないこの子…そう、トシ君です。

どうやら、寝る前にやった肝試しがあまりにも怖くてトラウマになったのか、中々寝付いてくれなかったんです。私はトシ君の頭を撫でながら言い聞かせるようにして言った。


貴方:トシ君、大丈夫よ。オバケはここには出ないわ。先生が一緒にいるから平気よ、ね？

土方:やだ…！せんせーどうせまたすぐいなくなんだろ…！かってにどっかいったらゆるさねーかるな！


そう言って更にギュッっと握り締めてくるトシ君。少し涙目になっていて可愛い…。絶対にそんなこと口に出してはいけないのだけど。

とにかく、このまま朝まで起きてたりしたらトシ君の体調に関わる。そう思って私は[本当はしてはいけないのだけど]トシ君が寝ている布団に横になって背中をポンポンと軽く叩いた。


貴方:先生も一緒に寝てあげる。ね？これなら怖くも無いし、どこにも行かない。それじゃダメかな…？


そう言うと、トシ君はふるふるると首を横に振った。そして小さな声で「ダメじゃない…」とだけ言った。暫く私が横になっていると、トシ君は眠ってしまった。

トシ君が寝てから、永倉先生が様子を見に来てくれた。大変なことになっちまったな、と笑う永倉先生に苦笑した私は、園長の許可を取ってトシ君の隣で寝ることになった。


翌朝、園児達が起きる前に起床する。そっとトシ君が掴んでいたエプロンを手から離し、朝食の準備をする。この朝食を食べたら、お泊まり会は終了です。

起床時間になり、私は他の先生達と園児達を起こし始めた。長かったようで短かったお泊まり会の終わりが近付いていました。

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