【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

休日2 ページ21

＊暫くして＊

コトッっと彼の横に湯気を上げるブラックコーヒーが入ったマグカップが置かれた。


貴方:さっきからずっとパソコンとにらめっこしてるでしょ？少し休憩したら？

山南:ありがとうございます。では、そうしましょうかね…。


山南は実希が座っているソファの隣に腰掛ける。TV画面にはさっきとは打って変わり、女の子向けのTVアニメの映像が流れていた。


山南:これは…

貴方:これ？これはヒメキュアって言って、女の子に大人気のアニメなのよ。私も見ておかないと…

山南:話についていけない…でしたね。

貴方:クスッ、えぇ。ところで敬助さん、テスト問題は完成した？

山南:えぇ、大まかな物は出来上がりましたよ。あとは手直しするだけですかね。

貴方:化学のテスト…かぁ…

山南:何か言いましたか？

貴方:い、いいえ！何でもありません！


少し慌てた様子を見せた実希は持っていたコップの中身を一気に飲み干す。彼女は猫舌な為、寒かろうが暑かろうがコーヒーはアイスしか飲まないので、舌を火傷する心配は無かった。


山南:良いんですよ、本当のことを言っても。化学なんて面倒臭い…そう言いたいのでしょう…？

貴方:いや、あの…そう言う訳じゃ…って、近い！敬助さん近いです！離れて下さい！

山南:何故です？私達は夫婦なのですから…これぐらいのことをしたって問題は無いじゃありませんか…

貴方:そ、それは時と場合の問題で…！


ハート:素直にならない悪い子、だーれだ♪


山南:ほら、TVでもそう言ってるじゃ無いですか…。素直にならない悪い子は、どこの誰でしょう…？

貴方:『ハートちゃんタイミング悪すぎ‼』ま、待って敬助さん！私まだ…！


どんどんと実希に迫っていた敬助だったが、実希が本気で嫌がるとすぐに身を引いた。


山南:大丈夫ですよ。貴方がどれだけ仕事を大事にしているかぐらい分かります。貴方の気が済むまで、私は待ちますよ。

貴方:敬助さん…。ごめんなさい…あと、あと1年だけ…待ってて…。ちゃんと、送り出してから私も離れるから…

山南:えぇ、分かっていますよ。


この時2人の間でどんな約束がされていたのか…。それを知ることになるのは、もう少し後の話…。

………………………………………………………

敵役名は妖刀より。ネーミングセンス無くてごめんなさい。それと、紫は全く思いつかなかったのであれで許して下さい。ヒメキュアについてもお察し下さい…。本当すみません。

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