あんスタ【私は、このﾌﾟﾗﾝを提案いたします。】4 (ページ26)

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145話ページ26

唇を噛みしめる斎宮くんを心配そうに見ていた影片くんが手を伸ばす。

しかし、彼はその手を振り払った。怒りのような、憎しみのような、悲しみのような色をした瞳がギロり。と捉える。

貴｢失敗作…？何を言っているのやら。今までの全てが、貴方の創り出した物でしょう？｣

怒りの矛先が私の方に一瞬で変わった。ゆらり、と立ち上がり、低い声でなんだと？と問う斎宮くんは、今にも噛み付いてきそうなライオンだ。

貴｢成功作も失敗作も、嫌な記憶も最悪の舞台も、今の自分が抱いている思いだって貴方が作り出したものです｣

斎宮｢黙れっ！｣

貴｢図星をつかれると人はなぜ怒るのでしょう。斎宮くん、君は何を恐れているんですか｣

影片くんが隣でやめて！と叫んだ。冷たい瞳でオッドアイの彼を睨む。目は、相手を黙らせる方法の一つだ。

貴｢壊れたら捨てる。今はリサイクルの時代なのに勿体ないですね。失敗作のひとつも直せやしない人間が、今から何を創造できると言うのでしょうか｣