あんスタ【世界は続いている】4 (ページ8)

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第6話ページ8

ｸﾞﾘｰﾄﾞ｢あら｣

てっきり怒り狂って泣き喚くものだと思っていたわ。

そんな言葉が聞こえてきた。

そしてスタッフがボソボソと何かを話している。

取り上げろ！取り上げろ！取り上げろ！取り上げろ！

ネタにしろ！ネタにしろ！ネタにしろ！ネタにしろ！

仕事だから。だとは分かっているが、

そんなに、オイシイか？

いくらニュースキャスターが悲しいニュースですねなんて言っても、誰も聞いてやしない。

『あらあら、可哀想ねぇ…』

頬を抑えてそういうに決まっている。大半だろう。

偏見だと言ってくれて構わない。

だって私自身もそうだから。

誰かに興味も持たず、関心せず、1枚壁(フィルター)を挟んで見ていたのだから。

でも。

貴｢何がそんなに楽しい｣

思ったよりも声は大きく、スタッフたちは声を静めた。

さて。

今の私の顔はどのように映っているのだろうか。

そしてこの真実を誰が知っているというのだろう。

誰も分かりやしないさ。

他人の痛みなんて、自分の事じゃないんだから。

だから。

触れてみてよ。

感じてみてよ。

観てみてよ。

ガラスの向こう側に踏み出してみてよ。

私は伝えてみせる。

超えられない線を超えてみせる。

『またか』なんていわせない。

『同情』なんかで終わらせたくない。

貴｢ネタが入ってよかったですね｣

最高の皮肉をくれてやる。