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第78話 ページ41

暗闇の部屋に射し込む月明かりは、ぼんやりと青い光をまとっていた。

足音が響き、近づいてくる。

ピタリと止んだ。

自分の牢屋近くで止まったのに気づいた羽風薫は、ゆったりと顔を上げる。

ぼやけた視界に映る人影。

月の光に当てられて、蛍のような輝きがあった。

その唇が、(いびつ)に笑う。

「ねぇ。薫くん」

羽風「…だれ」

「ねぇ。薫くん♪」

羽風「…」

「苦しそうね?悲しそうね?ねぇねぇ。どんな気持ち?」

羽風「…だれ?」

「うふふ。私には分かる。大切な人から裏切られた気持ち、よぉくわかるわ」

赤く光っているような錯覚。その鋭い爪を持つ手が、艶やかに格子を掴んで、

「私の所へおいで。私と共に生きよう?そうすれば、楽になる」

勢いよく叫んだ。

「私なら貴方を苦しめないし、私なら貴方を置いていったりしないわ!ずっと傍にいるし、ずっーと、愛してる」

羽風「…」

「大好きよ。薫くん…♪」

『羽風薫』

羽風「!」

蘇る声に耳を塞ぐ。

「薫くん…?」

『笑えるじゃないっすか』

蘇る日々に心を塞ぐ。

違うんだ。と、心が叫んでいる。

羽風「ちが、うんだよ…」

吐露する気持ちが本当の気持ち。

まだ、君に伝えていないことを思い出したんだ。と、羽風薫の瞳が揺らいだ。

羽風「俺の世界は、ずっと…」

『薫先輩』

出会った時から、大きく動き始めていた。

知らなかった気持ちも、知らなかった景色も。

君が教えてくれたんだ…と思った。

羽風「俺の、みていた、世界が動いた先には…Aちゃんが、いたんだ…」

『大好きですよ』

耳元で、遠い記憶のように、懐かしい声が囁いた。

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(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます。まだまだ未熟者なので、流石に人気は出ないですね…。もっと精進しなければ。これからも素晴らしい作品だと言ってもらえるように、努力しながら、更新頑張っていきます! (2018年3月12日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - そう言いたいほど大変素晴らしい作品です。私自身、放送部の部長をしていて楽しめましたし、なにより内容が素晴らしい。羽風好きになりそうですなんかもう…有難うございます(←)これからも読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - 初めまして。昨日この作品を見つけて読ませて頂きました。文が拙いし、長くなりますが感想を言いたいです。”なぜ人気でないんだ”。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月27日 22時

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