私だけが知っている【トリック】＊ ページ6
『暑っつい！！』
炎天下の中、今日も船長の命令通りに宝を探しに来たが、相変わらず手掛かりは無し。
こっちはもう暑さで気がやられそうだっていうのに、隣にいるトリックは何とまぁ涼しい顔で。
『有り得ない…』
「何がだ？」
『いや……』
私は知っている、何でもないような表情で立っている彼のもうひとつのカオを。
マンマからもうすぐお昼ご飯が出来るとの連絡を受けて、港からひとまず帰ってきた。
…うん、やっぱり船内の方が涼しい、気がする。
「A」
『あ…トリック』
振り返った視線の先には彼が。
『…少し奥に行こうか、ここじゃ人通りも多いし』
察した私がトリックにそう言うと、トリックはあぁ、と短く返事をした。
そのまま互いに黙ったままで人通りの少ない場所に移動すると、トリックはいつものふらりとした様子で私に抱き着いた。
これが私だけが知っている、彼のもうひとつのカオ。
有り得ないよね、いや、本当に。
大分慣れてきたけど、未だにちょっとそう思う。
_____だってあのトリックが、私の前だと甘えてくるだなんてさ。
「あー……疲れたな」
『さっきまでの涼しい顔はどうしたのさ』
「うるせ…」
おや、これは相当お疲れの様で。
お疲れ様の意味も込めてトリックの頭をポンポンと撫でる。
『全く、どっちがお子ちゃま何だか…』
なんて小声で呟いてみると、今度は首筋にチクリと刺激が走った。
『っン……おーい、トリック？トリックさん？？』
「何だ」
『いや、この後も港行かなきゃいけないから、痕付けるのは辞めてもらって良いでしょうか…』
「今更恥ずかしがってんのか？もう港の奴らからも公認されてるだろ」
『そういう問題じゃないぃぃ…！！』
言うだけ無駄だった、知ってた。
出そうになるため息をぐっと堪える。
こうしてる間にもちゅっちゅされてるし…あぁもう、そろそろ変な気分になりそう、マズい。
『ほら、ご飯冷めるから戻る！』
何とか腕の中からすり抜け、トリックの服の裾を掴むと食堂に向かった。
後ろから「おいおい服を引っ張るな」なんて声が聞こえてきたが、知らないフリ。
痕見える所にあったどうしよう、どうやって言い逃れをしようか、悶々とする頭の中でこれだけは言える。
トリックにこんな一面があるのは、私だけの秘密だ！
△▼△▼△▼△
HINATA!さんからのリクエストでした！
かなり自分の趣味も入れちゃいましたが…リクありがとうございました！！
からかい合う程仲が良い【トリック】＊→←Stimulus【リーダー】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うねゆ(プロフ) - みつはさん» そうなんですごめんなさい〜(>_<;)募集再開した時にまたコメくれると嬉しいです…！ (2018年9月4日 11時) (
レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
みつは - ごめんなさい！リクストップでしたね^^; (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
みつは - トリックさんとの作品が読みたいです！ (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - コーメさん» こちらこそありがとうございました！リク受付再開した時にでもまたよろしくお願いします〜！ (2018年8月29日 19時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
コーメ(プロフ) - こんにちは！ありがとうございました！めっさ素敵です♪今度またリクエストさせていただきますね！ (2018年8月29日 18時) (レス) id: 08b329afd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うねゆ | 作成日時：2017年8月18日 22時
