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今朝方、嫌な夢を見た。
あたしの事を「全部が綺麗だ」と褒めちぎるかれと、あたし達を優しい眼差しで見つめる彼、3人で楽しく過ごしていたような
出来るなら覚めて欲しくなかった、そんな夢。
自分の教室に入る前に通りかかる「3-B」と書かれた札が吊るされている教室の、扉の窓から中を横目に覗くが、あたしの探している「色」は見つからない。
最初から、期待なんてしていなかったけど。
人は、失ってからその大切さに気づく、とはまさに今のことだ。
あたしは、片方の肩に掛けていた鞄の紐をグッと握って、自分の教室…「3-A」と書かれた札の、教室の扉を開け、「瀬戸おはよう！」と朝から煩いクラスメイトに挨拶を返して自席に腰をかける。
有難いことに、席は窓際なので、やる事も何もないからボーッと空を眺めた。
「寝癖、ついてるんだけど。」
『え？』
不意に横から、聞きなれた声が降ってきて反射的に視線を向ける。
向けた視線の先では、アイスブルーの瞳がこちらを見ていて、ちょうど白い手が伸びてくるところだった。
これまた反射的にギュッと目を瞑ったが、ふわっと手櫛を通される感覚に直ぐさま目を開く。
「…あんた、髪は綺麗なんだから寝癖ぐらい直しなよね。仮にも女の子でしょ。」
『…ありがと』
目を見れなかった。お礼さえ、まともに言えない。
そんな自分に苛立ちつつ、ちょいちょい、と髪をいじってまた外に目を向けた。
隣では、カタン、と椅子が動く音がする。「瀬名くん」が座ったのだ。
有難いことに、自席は窓際だ。けれど、恨めしいことに隣は「瀬名くん」なのだ。
進級してもう2ヶ月ほど経とうとしているが、未だこの席を決めたヤツが憎いと言えば憎い。
「授業前には起こしてあげる。」
自席に突っ伏せば、また隣から、今度は小さく「瀬名くん」の声が降ってくる。
あたしは、君に優しくしてもらう価値なんて、何もないのに。君から、「月永くん」を奪ったのはこのあたしなのに。
じわりと目尻が熱くなるのを感じて、あたしはまたろくに返事もせず無視をしてしまう形で目を閉じた。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
