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れおくんが乱闘騒ぎを起こした。アイドルには致命的過ぎたそれは、俺を掻き乱すには十分で、説教垂れた。
そこで、Aが巻き込まれたことも知った。「おれがちゃんとしてなかったから」と、れおくんは項垂れた。
乱闘の理由も、詳しくは話してくれなかった。しつこく聞くのも柄では無いので、「あっそ、」とだけその時は返した。
それから少し経って、ユニットのリーダーはれおくんに変わり、同時に名前も「チェス」になった。
それと並行で、何故かこの頃から、Aの単独ライブが頻繁に行われるようになった。
元よりトップを張る程の人気を誇っていたけれど、最後に顔を合わせた時に盗み見たスケジュールは、並大抵の人間がこなせる様なものでは無かった。
そして今日、Aは単独ではなく、他ユニットとのタイマンライブを行う。
ジワジワとユニット制度が整えられていく中で、「ソロ対ユニット」とは異質そのものだった。
『"こんにちハロー！夢ノ咲切手の大所帯、チェスに所属する瀬戸Aだよっ！今日は集まってくれてありがとう！"』
一瞬、会場の照明が落ちて、またすぐさま明かりが着き、ステージ中央にはAが立っていた。
それはライブの始まりを示していて、観客は夢ノ咲生徒のみにも関わらず、熱狂的な歓声をあげた。
「うっ、うるさっ…」
「我慢して」
隣で耳を塞ぐれおくんは、自分のライブの時は一体どうしていたのだろうか。まあ、どうしようとこの歓声には誰も追いつけない。
Aだから出来たことだ、と瞬時に理解したし、同時に羨ましいと、馬鹿な俺は思った。
ステージに登壇したAに続くように、対戦相手であるユニットが登壇していく。
Aが異質なだけに、当たり前だけど相手は複数人で、ユニット制度を用いられたこのライブで、人数不利は痛いもののはずだったのに。
『〜〜♪〜♪』
たった数分の、たった1曲を歌うだけで、こんなの圧勝だと確信した。何故なら誰も、対戦相手のユニットに見向きもしなかったから。
呆気なくライブは終わり、案の定勝ったのはAだった。
ステージから掃けていく両者が、見えなくなったところでライブは完全に終了し、観客たちもこぞって帰っていく。
人でごった返す入口に突入して怪我なんかしたくないので、ある程度落ち着くまで客席で待っていた。
ふと、隣で同じくライブを観ていたれおくんは、「どうしておれが作った曲じゃないの」と呆然と呟いた。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
