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あとから聞いた話だけれど、この時の弓道場は不良のたまり場になっていたらしい。
だから、れおくんはあたしを此処に近づけたくなかったのだろう。
「頼むからもう辞めてくれ！」
『うぐッ！？』
弓道場を駆け回り逃げるれおくんと、抵抗すらできず次々与えられる身体の痛みに必死に耐えるあたし。
傍から見ても、これは立派ないじめで暴力だ。
”ムカつく、成功者が”などそんな言葉も聞こえたけれど、あたし達が何をしたと言うのだ。それなりの努力をしている、怠けてはいなかったから着いてきた結果だというのに。
努力をせず、楽に成功を懇願する者や、人任せに図々しく利益を得ようとする者がチラホラ居ることは知っていた。
その中で、出会った2人はどちらにも当てはまることはなく、アイドルらしく努力をして前を向いているのに。
こんな形で、その刃が向けられ振りかざされ、突き刺されるのはいただけない。
『妬んでばかりで努力すらしない、少しくらい同じ土俵に立ってからモノ言いなよっ…あ”っ！？』
睨みつければ、蹴られ殴られ、罵倒されて
もしかしたらこのまんま、踊れなくなってしまうのかもしれない、とさえ思った。こんなヤツらの鬱憤晴らしにされて。
痛みにもう耐えきれなくなってきて、目を閉じかけたその時、物凄い鈍い音と、微かに混ざる痛々しい音が弓道場に鳴り響く。
何事かと、そちらに目だけを向けると、倒れ込むれおくんが視界に映り込む。
背筋が凍った感覚に襲われたけど、なんせ足が動かないのだから駆け寄ることすら出来ない。
動かなくなってしまったれおくんとあたしに、恐怖を感じたのか不良たちは急いで弓道場を去っていった。
そして、倒れ込むれおくんの腕から、するりと抜け出してくる影に心臓が止まりかける。
その影はか細く、助けを呼ぶように『にゃー』と鳴き続けた。
あぁ、れおくんはこの子を護ったんだ、と何故か誇らしさを感じて、力尽きたあたしは目を閉じた。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
