家族 �� ページ8
まだ7班とリュウの面倒を見るという任務の途中のカカシに代わって、私はこのまま病院にいるつもりだ。
｢悪いネ。じゃあ、リュウ達の所へ戻るよ。｣
｢私は大丈夫だから、行ってらっしゃい。｣
すると、サクラちゃんが慌てた様子で走ってきた。
｢カカシ先生！っ、リュウが！｣
ー｢パックン！本当にこっち？｣
｢あぁ。この森の奥から匂いがする。｣
『私たちが目を離した隙に、リュウがいなくなってて...』
『分かった。サクラはここにいてくれ。A...』
『えぇ。私も探す！』
サクラからリュウがいなくなったという知らせを聞き、私とカカシ、ナルトくんとサスケくんで必死にリュウを探す。
｢カカシ先生、A姉ちゃん、ごめんってばよ。俺達がもっとちゃんと見てれば...。｣
｢大丈夫！絶対見つけるから。｣
しかし、日が暮れてくるにつれ、不安も増してくる。すると、先程から言葉を発しなかったカカシが、急に立ち止まる。
｢...泣き声が聞こえる。｣
｢...え？｣
そう呟くと更にスピードを上げて、パックンに案内された森を走り抜けていく。私たちもそれに続いた。
｢うわ〜ん...おかあさっ！え〜ん...｣
｢リュウ！｣
すると、木の幹に隠れるようにしてうずくまって泣くリュウがいた。
リュウも、私達に気付いて立ち上がり、泣きながらこちらへ走ってこようとする。私もほっとしてリュウを抱き締めようと手を広げた時だった。
｢...リュウ、俺なんて言った？｣
｢っ！｣
後ろにいるナルト君たちまでもがびくりと肩を震わせるほどのカカシの低い声。いつもの優しい声とはかけ離れた、カカシが本気で怒っている時の声。思わず私も見上げたが、その表情は読み取れなかった。
｢ナルト達から離れるなって、言っただろ！誰にも何も言わずに勝手に行動して、このまま誰にも見つけてもらえなかったらどうなってたと思う？俺達や、お母さんにもう会えなかったかもしれないんだぞ！｣
すると、リュウは後ろ手で持っていた物をおずおずと前に出す。それは花だった。
｢こ、これっ...！おかーさんにって...俺！この花あげたくって...だからっ、だから...！｣
ごめんなさいぃ〜...！と言ってまた大声で泣き出すリュウ。すると、カカシがリュウの目線に合わせるようにしゃがんで、そっとリュウの頭に手を置いた。
｢...心配した。怪我でもしてるんじゃないかとか、怖い思いしてるんじゃないかとか。みんな、リュウのことが大事だから一生懸命探したよ。良かった、無事で。｣
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紫(プロフ) - ねこじろうさん» コメントありがとうございます！自己満足でしかありませんが、ひたすら幸せなお話を書きたいと思います。楽しんで頂ければ嬉しいです。 (2017年6月27日 21時) (
レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ねこじろう(プロフ) - とっても素敵なお話をありがとうございます。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: 190dac0399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2017年5月25日 0時
