宝物 �� ページ23
ただ強さだけを求める忍は、いつか身を滅ぼす。人は、何かを守ろうとする時、真の強さを理解するとカカシは信じてる。
だからこそ…
｢サクが、赤ちゃんの為に強くなりたいって言葉、父さん嬉しかったヨ。｣
｢…うん。だってサク、赤ちゃんを守ってあげたい…から…。｣
話疲れて眠ってしまったサクの布団をかけ直してあげる。
｢やっぱりサクは、Aにそっくりダーネ。｣
サクの寝顔を見つめながらカカシは呟いた。
ー『私がカカシを守ってあげるからね。』
いつかAがカカシに言った言葉。まさか今度は、自分の息子の口から同じようなことを言われる日が来るとは夢にも思わなかった。
サクはカカシそっくり、と良く言われるが、実際の所、目の色や性格、思考はAと同じなのだ。だからこそ、そんなサクが愛しくて堪らない。
そして新たに、カカシとA、2人の遺伝子を持つ、愛おしい存在がもうすぐ生まれるのだ。
｢…早く会いたいねぇ。｣
ーそれから数時間後。朝日が昇り始めた頃、連絡を受け、分身のカカシとサクは病院に向かった。
｢もう生まれたの？｣
｢もうすぐだって。着いた頃には生まれてるかもネ。｣
病院内を暫く歩くと、分娩室の前の廊下でカカシ(本体)がウロウロしているのを見つけた影分身のカカシは苦笑いしながら呟いた。
｢あー…、まーたやっちゃったのネ、俺。｣
｢え？｣
影分身のカカシが消えるのと同時に、本体のカカシがサクに気付き、駆け寄った。
｢サク、いい子にしてたんだネ。おはよう。｣
｢父さん、赤ちゃんと母さんは？父さんここにいていいの？｣
｢えーとね…。｣
サクが生まれた時と同様、気が散るから出ていけ！と綱手様に追い出されたカカシは、サクになんて言おうか悩んでいると、分娩室から声が聞こえる。
｢いっっったーーーい！｣
｢あとちょっとだ！頑張んなA！｣
その声に同時に反応し、振り向くカカシとサク。
｢母さん！？｣
｢A！！｣
｢…ずっと母さんこんなに痛がってるの？サクが寝てる間も？｣
｢んー、そうダヨ。命が生まれるって、すごいことだよネ。｣
｢…サクが生まれる時も、母さん痛がってた？｣
｢そりゃーね。でも、生まれてくるサクも苦しい思いしたんデショ？｣
出産は、母体だけじゃなく、生まれてくる赤ちゃんにも相当のストレスがかかると綱手様に聞いた。
｢でもサク、生まれた時のこと忘れちゃった…｣
｢…母さんも同じ事言ってたヨ。｣
｢そうなの？｣
カカシは笑って言った。
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紫(プロフ) - ねこじろうさん» コメントありがとうございます！自己満足でしかありませんが、ひたすら幸せなお話を書きたいと思います。楽しんで頂ければ嬉しいです。 (2017年6月27日 21時) (
レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ねこじろう(プロフ) - とっても素敵なお話をありがとうございます。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: 190dac0399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2017年5月25日 0時
