宝物 �� ページ21
Aは窓の外を見た。もう日は沈んで、サクを1人で夜道を歩かせるのは気が引ける。
｢大丈夫。少ししたら、また動けるようになるから、そしたら父さんと綱手様に伝書鳩を飛ばして...｣
｢『影分身の術』！｣
ポンっと現れたもう1人のサクが、Aの引き留めを聞かず、外へと走り去っていく。
｢サク！〜っ！｣
｢母さん大丈夫だよ。絶対父さん連れてくるから。｣
そう言うと、サクはAの手を握った。
｢...やっぱり、サクの方が落ち着いてる。｣
｢え？｣
｢ふふ。ありがとう、サク。｣
ー｢カカシさん、もう待機終わりですか？｣
｢まあね。じゃ、おつかれー。｣
カカシは待機が終わり、待機室にいる仲間に挨拶をして、部屋を出ようとした時だった。
突然扉が開いて、足に衝撃を感じ、見下ろすとそこには肩で息をするサクの姿が。
｢サク？どーしたのヨ一体。｣
サクの目線に合わせるようにカカシはしゃがみこんだ。
｢父さんっ！はぁ、はぁ...母さんが！｣
｢！...うん。｣
｢赤ちゃんっ、生まれる...って...っ！｣
カカシはサクを抱き上げる。そして、頭を撫でながら、サクを宥めるように言った。
｢ん、ありがとサク。このまま父さんに捕まってて。｣
｢うん！｣
カカシはサクを抱いたまま、瞬身の印を結んだ。
ー｢A！｣
一瞬にして、サクとカカシはAのいる我が家にいた。Aと一緒にいたサクの影分身はそれと同時に消え、カカシはAに駆け寄る。
｢A！しっかり！今、俺の分身が綱手様の所へ報告に行ったから、準備はできてるヨ！｣
｢カ...カシ...っ、サク...を...！｣
｢大丈夫！サクのことも俺に任せて！｣
カカシはAを抱き上げると、サクに言った。
｢サク、父さんは母さんを病院に連れて行くから、家で待っててくれ。｣
｢やだ！サクも行く！｣
｢サク、すぐに父さんの分身がここに来るから、それまで待っててくれ。いいな？｣
｢...分かった。｣
カカシは頷くと、すぐに病院へAを連れていった。途端に不安になるサクだったが、その数分後にはカカシの分身が帰ってきた。
｢サク、ただいま。｣
｢父さん！赤ちゃんは!?｣
｢うーん、まだ時間がかかりそうなんだ。父さんの本体は母さんに付いてるから大丈夫ダヨ。｣
そっか、と溜息をつくサクの頭を撫でながらカカシは言った。
｢良くやったネ、サク。影分身を使ってすぐに父さんの所に来てくれたおかげで助かったヨ。｣
｢っ！ふ...ふぇ...っ｣
｢...恐かったヨネ。｣
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紫(プロフ) - ねこじろうさん» コメントありがとうございます！自己満足でしかありませんが、ひたすら幸せなお話を書きたいと思います。楽しんで頂ければ嬉しいです。 (2017年6月27日 21時) (
レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ねこじろう(プロフ) - とっても素敵なお話をありがとうございます。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: 190dac0399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫 | 作成日時：2017年5月25日 0時
