家族 �� ページ11
｢これ！プレゼント！｣
｢え？｣
｢その...俺も、みんなと遊べて楽しかったし//だからその...ありがとう！//じゃあな！｣
そう言うと母親の方へ走っていく。するとその小さな背中にカカシが叫んだ。
｢リュウ！またいつか、木の葉に帰っておいでヨ！待ってるからさ。｣
その声が届いたのかは分からないが、姿が見えなくなってから遠くから泣き声が聞こえた気がした。カカシにも聞こえたのか、｢泣き虫。｣と呟いて笑っていた。
｢なあなあ！リュウがくれたのってなんだったんだ？｣
ナルトくんに促され、渡された紙を広げると、そこには7班のみんなとカカシと私、そしてリュウの似顔絵が書かれていた。そして、まだ字が書けないなりに頑張ったのであろう『ありがとう』の文字。
｢似顔絵っつーか、髪の色と身長が違うだけの棒人間じゃねーか。｣
｢サスケ！リュウが描いてくれたんだから文句ゆーな！｣
｢ホラホラ。お前らうるさいぞー。今日はもう解散。｣
カカシがそう言うと、ナルト君は不満そうに言った。
｢えー！次の任務は？こう、ズバッと！バシュッと！かっこいい任務がいいってばよ！｣
｢あーないない。お疲れー｣
まだブツブツ言っている3人に挨拶をして、歩き出すカカシを追い掛ける。
｢良かったの？｣
｢いつもこんな感じだし、大丈夫。それに俺は早くAと2人きりになりたいし。｣
そう言って優しく繋がれる右手に胸が騒ぎ出す。手を繋ぐなんて当たり前のことだったのに、最近は真ん中にリュウがいて3人で繋いでいたから新鮮だ。
｢今日は一緒に夕飯作ろっか。｣
そう言って微笑むカカシに私も笑顔で頷いた。
ー｢何見てるの？｣
夜、寝室でリュウの手紙を眺めていると、風呂上がりのカカシが覗き込んできた。
｢リュウの絵よ。なかなか上手に描けてるわよね。｣
｢...ちゃっかりAの隣にリュウがいるしね。｣
拗ねたように言うカカシに呆れて振り返ろうとすると、後ろから抱き締められる。久しぶりに感じるカカシの体温に胸が騒ぐ。
｢もしかしてカカシ、リュウがいなくて寂しいの？｣
｢...逆。やっと2人きりなのに、Aがまだリュウのこと気にしてるから気に入らないの。｣
そう言って首筋に顔を埋めるカカシに、私は心の中で微笑む。恋人になってから知ったのだが、これは甘える時によくする行動なのだ。本人は無自覚のようだから、秘密にしている。
｢...じゃあ、どうして欲しいの？｣
少し意地悪な質問をすると、熱を孕んだ瞳とぶつかる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫(プロフ) - ねこじろうさん» コメントありがとうございます！自己満足でしかありませんが、ひたすら幸せなお話を書きたいと思います。楽しんで頂ければ嬉しいです。 (2017年6月27日 21時) (
レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ねこじろう(プロフ) - とっても素敵なお話をありがとうございます。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: 190dac0399 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 | 作成日時：2017年5月25日 0時
