言えなかったコト �� ページ1
【恋人時期のstory。基本カカシ目線】
｢んじゃ、俺帰るカラ。｣
待機終了時間になり、俺は愛読書を仕舞い立ち上がる。
｢え？今日飲み会行かないの？｣
｢こないだもやったじゃナイ。行かなーいよ。おつかれー。｣
振り向きもせず出ていくカカシの後ろ姿を、アスマと紅が見つめる。
｢...最近ずっとあんな調子ね。｣
はぁ、とため息をつく紅の横でアスマは苦笑い。
｢ま、しょーがねーだろ。長い片想いがようやく実ったんだからな。｣
｢...そうね。今度の飲み会はAも誘おうかしら。｣
待機所を出たカカシは早足で家路を急いでいた。普段の自分のアパートではなく、実家の方。
ずっと自分の姉(姉だなんて思ったことは1度もないが。)として育ってきた初恋の女と、最近ようやく片想いが実り、恋人同士になれたのだ。ずっと一緒に育ってきたが、飽きることなんてない。むしろ想いは増してくばかりだ。
｢ただーいま！｣
｢おかえりなさい。今日は早かったのね。｣
部屋に入り、夕飯の支度をしていたAをすかさず抱き締める。あー幸せ。
｢はぁ。会いたかったヨ。あー落ち着く。｣
...ん？
｢ん、私も。会いたかった。｣
俺は体を離し、Aの顔を覗き込む。
｢な、なに？｣
抱き締めた時の違和感を探る為、Aの額に手を当てる。
｢A、熱あるネ。｣
Aが答えるより先に、ベッドへと連れて行く。
｢ちょっとカカシ！｣
｢コラ。具合悪いなら休んでればいいでしょーよ。俺に隠せると思ったの？｣
｢別に隠すつもりはっ！そんなに熱高くないし、心配かけたくなくて...。｣
あのね、とAの言葉を遮り、目を見て伝える。
「心配くらいさせなさいヨ。全く、いつになったら頼ってくれるんだか。」
「ご、ごめんなさい。」
「あとは俺やるからAは寝てて。シャワー浴びてくる。」
もう一度しっかり布団をかけ直し、俺は急いでシャワーを浴びることにした。
本人は無意識なのだろうが、Aは強がる癖がある。まぁ、幼い頃から俺の姉として努力してくれていたことは知っている。それでももっと俺を頼って欲しいし、甘えて欲しいと常日頃思っているのだが…なかなか上手くいかない。
シャワーを終え、水や薬などを持ってAの寝ている寝室へと向かう。
｢お待たせ。なんか食べれる？｣
｢ありがとう。ごめんね。疲れてるのに。｣
｢俺のことはいいから。はい、水。｣
大人しく水を飲むAの横で、俺は林檎を剥いてやる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫(プロフ) - ねこじろうさん» コメントありがとうございます！自己満足でしかありませんが、ひたすら幸せなお話を書きたいと思います。楽しんで頂ければ嬉しいです。 (2017年6月27日 21時) (
レス) id: 99c982b07d (このIDを非表示/違反報告)
ねこじろう(プロフ) - とっても素敵なお話をありがとうございます。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: 190dac0399 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 | 作成日時：2017年5月25日 0時
