6話 ページ7
「駄目に決まってんだろ。
お前、まともに剣だって振れないんだからよ。」
松陽の寺子屋にいる奴全てに剣の心得があるかと言われれば、それは違う。
Aは竹刀こそ振るものの、構え方も、剣のおろし方もまだ様になっていない。
そんな奴が攘夷戦争に行けば、間違いなく命を落とすだろう。
「なんで私だけ置いてくの?
私も行く!」
「駄目だって言ってんだろ。
お前は大人しく待ってろ。」
「嫌だ!」
往生際が悪いそいつは、攘夷戦争に行くと言って聞かなかった。
どうせ一日経てば忘れるだろうと思い、今日はもう帰るぞ、と俺はAの腕を引いた。
「...嫌だ。」
けれど、普段は元気に笑うそいつが、この時だけは掠れた声で呟いたことを俺は覚えている。
俺より小さいその手は小さく震えていた。
「銀時はいつも一人で行っちゃうじゃん。
私には何も言ってくれない。
誰かを助けようと、救おうとして、一人で走って行っちゃう。
残された方は、つらくて悲しいだけなのに。
一人で頑張りすぎる銀時を見ても、胸が苦しいだけなのに。」
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凛 - とても良かったです! (2022年12月20日 19時) (レス) @page36 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - 岩長漆@三色団子と朧大事さん» ありがとうございます!そういったコメントが一番の励みになります!今後も皆さんにお話を届けられるよう頑張ります! (2018年6月11日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
岩長漆@三色団子と朧大事(プロフ) - 突然失礼いたします、岩長と申します!けんそう様の作品読ませて頂き、とても感動しました!次作の方も頑張ってください!応援しております! (2018年6月10日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年2月10日 20時