Episode 51 paura ページ12
｢じゃあこれからもいっぱい撫でちゃおうかな｣
｢えぇ〜？ほんと〜？｣
まさに十代。花の十代。
会話に花を咲かせる二人の声を聞きながら、一歩先でアバッキオが拳を握る。
＿＿柄じゃねぇんだよ、オレは。
心の中で毒づきながら、情けなくため息をついた。
｢ジョルノ遅いね｣
｢そうだな｣
近くの休憩スペースで、Aとアバッキオが呟く。テーブル席に着き、ジェラートを買いに行ったジョルノを待つ。
｢今日はありがとう。こんなに買ってくれて｣
｢気にしなくていいぜ。当たり前のことだ｣
Aが椅子に置かれた買い物袋を見つめながら、申し訳なさそうに礼を言う。
アバッキオは素っ気なく言い返すと、水を一口飲んだ。
｢…｣
彼は、頑なに目を合わせてくれない。Aと会話する時は、いつもどこか別の方角を見ている。
そんなことにも気づかず、｢ジョルノ遅いな〜｣なんて呑気に言いながら辺りを見渡すA。
ふと、視界の隅に見覚えのある“二人分のシルエット”が映る。
反射的にその方向を見ると、そのシルエットは物陰にサッと隠れた。
＿＿ドキッと胸が締め付けられる。
吐き気を覚え、思わず両手で口を塞ぐ。
イヤな汗が背中を伝い
脂汗が額に滲んだ。
視界がグルグルと回り
感覚が麻痺する。
あの光景が、フラッシュバックする。
腕を掴まれ、追いかけ回され、傷をつけられ。
裏切られて。
偽りの友情を知ら締められて。
感情が消え去って。
生きていたくなくなって＿＿
｢おい、A！どうしたんだ？｣
｢へ…？｣
アバッキオの叱責するようなキツい声で、Aは現実に引き戻される。
｢オイオイ…どうしたんだよ。急に両手で口を塞いだりして｣
｢い、いや…気の所為、かも……｣
掠れた声で、Aは返答する。
あのシルエットは、確かに“アイツら”のものだった。
Aを追いかけ回したパン屋の男と、その下っ端。
言葉に出来ぬ程の恐怖に襲われながら、Aはただただ震えていた。
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東雲(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！ そうなんですね！実は私も恋愛オチ描くのとっても苦手で……楽しんでもらえて何よりです！これからも宜しくお願いします(*´∀｀*) (2021年1月14日 21時) (
レス) id: cd64537380 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - とても面白かったです！自身がいちゃいちゃは平気なのですが恋愛、オチがあるのモノが苦手なのでとても楽しく読めました！(自分語り) (2021年1月14日 15時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - ナナナさん» 初めまして！コメントありがとうございます(*^^*) 本当ですか？！そう言って頂けるととても嬉しいです！ 時間に余裕がある時に、また色々検討してみますね。これからも宜しくお願い致します^^* (2020年9月20日 11時) (レス) id: 1294c5e31f (このIDを非表示/違反報告)
ナナナ(プロフ) - あの！初めまして。私5部の皆の事が本当に大好きで、この作品も大大好きです。よければそれぞれのオチのお話も読んでみたいです…！最高でした！ (2020年9月6日 20時) (レス) id: 6431d8432b (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 野菊さん» いつもありがとうございます！わ〜！有り難きお言葉……！(＞＜)ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 8時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 | 作成日時：2019年1月11日 20時
