目つきが悪い故、勘違いされやすいのである【あんスタ】

よんじゅう ページ41

｢俺、結構本気なんだよね。やっぱりアイドルとプロデューサーって立場があるから難しいとは思ってるけど……はは、らしくないけど諦めたくなくって｣




……分からないことも無い。

お互いの立場もあるし、それによる世間からの見られ方にも意識を持たないといけない。

どう見られているのかを私たちプロデューサーは本当はアイドル自身よりも理解し、その上でその印象操作も行わないといけないんだと思う。


あんず先輩のことだから、割と普通に羽風先輩の事を避けてるのもある。

けれどそれ以上にアイドルの『羽風薫』を考えての事なんだと思う。


凄いなぁ、先輩。






｢なんか難しい話しちゃってゴメンね〜空気重いの苦手なんだよねぇ。元凶俺だけどさ。

せっかくだし、Aちゃんの事も聞きたいなぁ？こうして話せる機会を作れた訳だし、Aちゃん自身のことでも、恋バナでも何でもききたい｣




…あー……空気読めないこと言うけどやっぱこの人、顔面良すぎない？

優しいお兄さんオーラめっちゃ出てる。




『最近、宙くんとよくゲームしてる。私が下手くそ過ぎるし、宙くんめっちゃ教えてくれるのに一向に上手くならない。優しさが辛い』


｢あれ、意外かも。宙くん……はパッと顔は出てこないけど。Aちゃんって休日は部屋にこもってゲームしてるタイプかと思ってた。普段は何してるの？｣


『家では作曲か衣装作り』


｢ワーカホリック気味？まぁそれが楽しいならいいと思うけどね｣





その後も、先輩がお喋り上手なお陰で会話…私は筆談だけど途切れること無く普通に楽しい時間を過ごすことが出来た。







『たんぽぽちゃんって何？』

｢それは聞かないで｣












しばらく経った頃、私が学校に行っていないと紅月の先輩たちが把握したらしく、カフェに突撃してきた神崎先輩と蓮巳先輩。

なぜ場所が分かった。



｢A…！羽風貴様、Aを連れ出して一体何を…！｣


｢えぇ〜？別に楽しくおしゃべりしてただけだよ？ねぇAちゃん♪｣


『羽風先輩に拉致られました』


｢Aちゃん？｣





度し難い！と蓮巳先輩が羽風先輩を引きづって行きました。悪いね、羽風先輩。

学校へ戻る道ではまた連れられてはいけない、と神崎先輩が手を繋いできました。


私、幼女じゃない。

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