目つきが悪い故、勘違いされやすいのである【あんスタ】

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Aside



｢HaHa〜♪Aちゃんご機嫌な〜｣


｢……？｣




1年B組の教室で、机に向かい紅月の書類をまとめていた時、

1年生で唯一友達でいてくれている宙くんがそう言ってきた。




私の前の席の宙くんが後ろを向いて、私にそう言っている。



｢戸惑ってる色な〜…Aちゃんも何が嬉しかったか分からない感じですか？無自覚？｣


｢……｣



…嬉しかった事……特に思い当たる事はないと思うんだけれど…



｢HuHu〜Aちゃん眉間に皺が寄っていつもより怖いお顔になってます！｣



眉の間に人差し指を置いてぐりぐりと解すように押される。



小学校、中学校と9年間の義務教育の間、

こうして人との触れ合いとは無縁だった自分にはたった1本の人差し指の熱ですら暖かく感じてしまう。


されるがままに解されていると、

宙くんを呼びに来た朱桜さんがギョッとしたようにこちらを見て固まった。



あまり見ないようにしよう。

また睨まれてるって言われるから。




｢…？Aちゃん何か怖いですか？｣


宙くんには、何故かいつもお見通し。



声を出す事を蓮巳先輩に禁じられているから理由を聞くためのお喋りは出来ない。



それでも、宙くんと居る時は居心地がいい。




｢あの、春川くん｣



｢つかちゃん？何か宙に用事な〜？｣



｢春川くんを呼んで欲しいと青葉先輩が｣



｢分かりました！ありがとうつかちゃん！Aちゃん、宙はせんぱいの所へ行ってきます！｣







教室の外へと走って行ってしまった。なんだか名残惜しいような、変な感じ。



チラチラと朱桜さんからの視線が気になるけれど、気にしないようにしながら再び書類に向き合った。




次のライブでは、私が作った曲も使ってくれるって言うからいつもより張り切っているのです。

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