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そして、冒頭の通りに樋口ちゃんの首を絞めた挙句に意識を落とし、私は仕切り直して温泉を楽しんでいた。実は、私は結構な長風呂を楽しむ人。

一升瓶のストックを部屋から転送し、飲み直す。銀ちゃんがゆっくりと近付く。

「如何したの?」

尋ねると、上を見上げる銀ちゃん。星が驚く程に綺麗だった。月も金色に輝き浮いている様で。思わず深く息を吐いた。

「こんな日が……続いてくれたらいいのにね」

銀ちゃんと目を合わせる。二人で笑い合う。グラスを掲げれば、金色の月と星が、透明な酒の中で揺れて煌めく。

「……風流だねぇ……」

しみじみと日々を想い、グラスに口を付け勢い良く煽った。

−−−−−−

「かんぱぁい!」

却説、風呂から上がって呑み直す。中也さんが無礼講と言った瞬間に、皆がそれぞれ騒ぎ出す。梶井が好き勝手作るし、それを龍ちゃんが呑んでるし、樋口ちゃんは泣き出すし……兎に角散々。

「Aさん!一つどうですかねぇ?梶井特性」
「あ、私、日本酒以外には浮気しないから」
「そこを何とか!」
「風情が無いから無理」

梶井をぶった斬り、撃沈させる。中也さんが私の隣に移動し、肩を抱いて引き寄せる。するり。浴衣の隙間に手を入れられる。

「ちょ、莫迦!何やって!?」
「浮気しねェのは酒だけか?」
「え?」

耳元で囁かれた言葉に気を取られる。青い目が私を射る。
その隙に、彼の手によってお猪口が取られる。中也さんの口元にお猪口が当てられ、煽られてしまった。

「お、美味ェ。センスあるなァ、A」
「か、間接……!」
「あァ?こんな煽る様な格好しといて気にすンのかよ」

するり。また手が肌を撫でる。体が火照るのは、恥ずかしさか酔いの所為か。抱き寄せられ、耳元で囁かれる。

「今のA、可也唆る顔してるぜ。食っちまおうか?」

背筋に甘い痺れが走り、思わず軽く肩を押した。直ぐに離れたので、手加減していたのだろう。笑う彼を精一杯睨む。彼の余裕は崩れない。

「中也さん!」
「悪ィ悪ィ。つい、な?」
「つい、じゃないです!」

叱ってやろうと思ったが、中也さんはするりと躱す。気付けば、皆のやっているしりとりに参加していた。私は一人、月を肴に日本酒を煽る。

「何かねェのか!?」

しりとりも飽きたらしい。仕方無し、マフィアの資料保管役、本気出しますか。

「じゃあ、童話の裏側なんてどうでしょうか?白雪姫の王子様は死体愛好家。知ってました?」
「ヘェ……面白そうだな、話してみろよ」

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いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ! に、しても評価凄いですね!Σ(゚ロ゚;) (2020年6月21日 14時) (レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました!お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね!私は分かっているのさ!」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました!リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか? (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか?天人五衰のゴーゴリ君っていいですか?シチュエーションは何でも構わないのでお願いします!仕事帰りに癒されたい!どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jazz | 作成日時:2019年4月26日 19時

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