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「その……何だ。礼を言う。有難う」
「別に。此れは私の為でもあるし」
頭を下げ、Aに礼を言う。だが、目の前の此奴は興味も無さげに昼食を注文していた。
拍子抜けしてしまい、脱力した。目が合う。其処で気付く。此奴はこんなにも綺麗な顔立ちをしていたか？
「……頼まないの？」
「ああ、いや……すまん。直ぐに決める」
昼食と飲み物を注文し、またAに向き直る。奴は、窓から見える風景をぼやっと見ている様だった。
「別にさぁ……呑まれる事は誰にでもあるし、男女一つ屋根の下になっちゃったら、それはもう仕方の無い事なんだよ。ただの事故」
「だが……」
「気にしちゃダメ。二回目は起こさないように、酒も適量。自分のペース、覚えなよ」
外を見れば、昼にも関わらず泥酔し醜態を晒す輩が見えた。俺も昨夜はアレと同等の様子だったのだろうか。頭が痛くなる。
今日、太宰に揶揄われなかったのは、目の前の此奴が手を回したのだろう。
「……嗚呼。わかった」
「ま、別に呑みなら何時でも付き合うしさ」
軽く人が良さげに笑うA。
……如何やら、俺が思うより良い奴らしい。
昼食が運ばれ、その後は何も無く世間話を交えながら食事をし、事務所に帰る。滞りもなく仕事は終わらせた。
「A、少し付き合え」
今度は俺から呑みに誘う。目を丸くした奴は、一瞬後に可笑しそうにケラケラと笑った。
「な、何だ」
「いや、昨日の今日でか！わかった、良い夜にしよう！」
……それからの話。俺とAは良く良く二人で呑みに行くような仲になった。奴の呑み方を観察すれば、一定の量でピタリと飲まなくなる事を見つける。
そして、観察をし過ぎたのか……俺は此奴に好意を抱き始めていた。あの朝の身体が、ここ最近になって蘇る。
俺はAに想いを告げる。手帖には密かにそう付け加えた。
「よし、飲むぞー！」
「俺の練習と言いながら、一番酒を楽しむのはお前だな」
黄色の発泡酒は、今日も冷えている。乱暴に置かれたジョッキを手に取り、俺達は今日も呑んでいた。
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いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ！ に、しても評価凄いですね！Σ(ﾟﾛﾟ;) (2020年6月21日 14時) (
レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました！お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね！私は分かっているのさ！」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました！リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか？ (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか？天人五衰のゴーゴリ君っていいですか？シチュエーションは何でも構わないのでお願いします！仕事帰りに癒されたい！どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2019年4月26日 19時
