罪を背負う※名前変換無し ページ35
夢を見た。懐かしく、そして酷く悲しい夢を。
ステンドグラスから差す、色とりどりの光が美しく見える教会の中。十字に磔にされたイエスの像。その前に跪き祈る様に両の手を重ね握る少女。そして、その少女を包み、そこを中心として広がる長く艶やかな黒髪は、座り込んだ時のドレスを彷彿とさせた。しかし、それは幼い頃に繰り返し見た夢の情景。
現実を知る今に見た夢では、荒れ果てた姿になっていた。色鮮やかな美しい光を差し込むステンドグラスは割られ、イエス像や教会の椅子にはその割られた破片が多くあった。
それでも、少女だけは、取り残された様にただ、跪き祈りを捧げていた。
｢ねぇ……｣
少女は答えず、俯いたままだった。
｢……っおい！｣
張り上げた声でやっと気付いたのか、それとも無視をするのに耐えかねたか。少女は静かに顔を上げる。そして、こちらを見たことによって、光の灯らない目も、表情も見ることが出来た。
｢貴方の祈りは、なんでしょうか？｣
その声の美しさに、あぁ、この人は女神なんだと理解した。何故かと訊かれてしまえばそれは、夢によくあるご都合主義、というものだろうと今なら答えるのだろう。
しかし、その時には女神が何故いるのだとか、そういう疑いもなく、ただ、女神が目の前にいると納得していた。
｢え……｣
｢祈りでは無いのでしょうか？それでは……｣
｢罪を｣
祈りではなく他なら何かと問いかけようとした美しい声を遮り、言葉を落とす自分。
｢はい｣
｢罪を、告白しに、きました｣
｢わかりました。こちらに｣
音もなく立ち上がる彼女を眺めていると、その視線の先は何処か腰掛けることの出来る椅子へと足を進めていた。それに促される様に付いて行く。
マシだろうと思われる場所に着けば白い陶器のような少女の手が慣れた様子でグラスの破片を払い落としていく。色の半透明な破片が固い大理石に落ちる物音や、破片同士が椅子の上でぶつかる物音。それらが教会の中にひたすら響いて、それでも、一つ一つが自身の聴覚の中に落ちていった。
｢さあ、お聞き致しましょう｣
｢……あぁ｣
彼女が腰を下ろせば、自分もその椅子に腰をかける。いや、座り込んだという方が正しいと思われる程に重く椅子に体重を任せていたかもしれない。
それでも、自分には可笑しな感覚があったのだ。自分の罪とは、何を告白するつもりなのだろうか、と。
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SARINA(プロフ) - 磯部里菜さん» ごめんなさい。文字数の関係で、直すことは困難でした。ですが、以後、気を付けます。 (2014年12月28日 12時) (
レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
SARINA(プロフ) - 磯部里菜さん» ごめんなさい。趣味を始めたばかりで･･････わからないところもあるんです。教えていただきありがとうございます。 (2014年12月28日 11時) (レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
磯部里菜(プロフ) - 文章のルールは、鉤括弧の前に句点を入れない、……(三点リーダー)は偶数個点が並ぶようにする、といったものがあります。理解してから書いてください。 (2014年12月28日 11時) (レス) id: 4e08e530c9 (このIDを非表示/違反報告)
SARINA(プロフ) - シノ。さん» そうなんですか！？ありがとうございます。 (2014年12月28日 10時) (レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
シノ。(プロフ) - ・・・を…にしてみてはどうでしょう？ 文字数が違ってきますよ？ (2014年12月28日 10時) (レス) id: abf705269c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2014年7月24日 19時
