【マギ】願い事 Ⅱ (ページ3)

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38話ページ3

「もういいよ、マスルール」

俺達が使っている離宮。

ゆっくりと足から床に降ろすと

「助けてくれてありがとう」

「どーもっす」

無理に笑顔を作ったせいか
精神的に疲れた

＿＿＿＿眠ィ。

「それにしても」

「ん？」

「よくあんな躊躇い無く倒れられましたね」

俺の方を見て思案顔になるAさん

「ああ～、さっきのはマスルールなら受け止めてくれるって信じてたから」

「…ッ///」

＿＿その笑顔は反則っすよ

「ふふっ、マスルール顔真っ赤！」

「やめてください」

少し酒が入っていたせいなのか

マスルール照れてる～可愛い～

くるくると部屋の中を回り始める彼女

…可愛いのはそっちですよ

心の中で呟いて

Aさんの手を取って寝所へ連れてゆく

「マスルール？」

「…誰か来たら面倒なんで、もう休んどいてください。俺は見張りしてるんで」

「昔みたいに一緒に寝ようよー」

「何言ってんですか。俺、一応男なんで」

「そんな～全然キニシナイから！」

あんたは良くても

…俺が色々もたないんすよ。

「ハイハイ。酔っ払いは早く寝ろ」

「姉に向かってタメ口聞くなー！」

「すいません。んで、早く寝て下さい」

「はーいはい。お休みマスルール！」

寝台に飛び乗ったと思ったら
直ぐに規則正しい寝息が聞こえた

＿＿＿＿手のかかる『姉』だな。

ふと思い、そして思い知る

やっぱ、俺は
男に見られてないんだな、と。

「………Aさんが、悪いんすよ」

煽るから…

「＿＿＿＿んん…っ」

「…好きです。誰よりもずっと」

数回唇を重ね

そっと額と額をくっつける

…ヤバイ。

止まりそうにねェ

「くッ…」

、
、
、

触れたくなるのをグッと堪えて、
シーツをかけて部屋を出た

唇に触れると蘇る
柔らかくて少し湿った唇の感触

「…最低だな」

壁に凭れて宙を見た

そのままズルズルと座り込こんで
暫くした頃。

いつの間にか
意識は夢の中へと沈んでいた