【マギ】願い事 Ⅱ (ページ20)

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55話ページ20

ジャーファルside

Aがやって来てもう１時間…

念のため二人の姿が見える範囲にいますが
会話の内容が何もわかりませんね

二人共並んだまま
たまにお互いを見るだけで

それ以外は何も変化は無い。

言い争っている様にも見えない

まだしばらく
じっと見ていると

シンがスッと手を差し出した
そしてその手にAが手を重ねる

そしてふたりは並びながら
こちらへ歩いてきた

「お疲れ様でした」

「俺はAを部屋まで送って戻ってくる。詳細はその後話そう」

「かしこまりました」

…どうなったのだろう。

二人の表情からは
全く結果が読めなかった

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Aside

「…アリス君のことは私に任せて、Aはマスルールを宜しく頼む」

「分かりました。でもどうして？」

「Aが記憶を無くしたと聞いて一番ショックを受けていたのはマスルールだったからな」

だからさっき、あんなに＿＿＿＿

「本当に良いのですか？」

「当たり前だ。俺がすべて上手くやるさ、
…Aは何も気負わなくて良い」

気負ってなんか…

「それじゃあ、俺はこれで」

踵を返して手をヒラヒラさせ戻って行くシン。

…このままでは、
前と何も変わらない。

「待ってください」

「ん？」

「私は、今回のように

シンが全てを片付けて、

借りを作って

弱みを握って…

力を手に入れて来たのを知ってます。

でも、私は
貴方の道具にはなりたくない。

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＿＿＿＿仲間として貴方の側に居たい」

「…。」

無言でこちらへ近づいてくる彼

俯いていて

表情は分からなかった

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「…シン？」

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「好きだ」

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え？

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「遊びなんかじゃない、本気だ。

俺が本当に道を踏み外す事が無いように
…ずっと傍に居て欲しい」

射抜かれてしまいそうなほどに

真っ直ぐな瞳

これが、本当の＿＿＿＿シンの言葉。