【マギ】願い事 Ⅱ (ページ15)

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50話ページ15

「ジャーファルさんっ!!」

覚えてる、

覚えてるの…

少しだけだけど覚えてる

私の…大切な人。

行かないで＿＿＿＿

「…A様！この人の多さの中での目立つ行動はお控えください」

「でも！」

「この場を混乱に陥れたいですか？」

あと少しで＿＿＿＿届きそうだったのに

「…すみません」

やっぱり護衛なんて付けなければ…

いや、でも待って

ずっと私の護衛をしていたのだったら＿＿＿＿

「ねえ、貴方はジャーファルって人を知らない？緑色のクーフィーヤを被っている人よ」

私が必死に訴えると
男は呆れた様子で「…は？」と声を漏らした

「A様は何をおっしゃっているのですか？」

不信な物を見るような目で

私を見つめる護衛の男

…じゃあやっぱり、
さっきの人はジャーファルさんでは無い？

「そうよね、知らないわよねそんな人」

ハァと小さな溜息をついた私に

違いますよ、と前置きをして男が話し出す

「知らないも何も、貴方と共にシンドリアで過ごしていた方なのでは？

それに、今回の帰国では貴方の側用人としてお控えなさって居たじゃないですか。」

＿＿＿＿え？

「何をポカンとなさっているのです？

さっき腕相撲大会で優勝なさっていた方もA様を抱き抱えて宴会場を出ていかれた御方でしょうに。」

「…そう、ね」

「やはり体調が宜しくない様です。

アリス様も心配なさっているでしょうし…戻りましょう」

「ええ」

思い出した＿＿＿＿

ジャーファルさんのことも
マスルールのことも

でも、まだ記憶の中の二人の周りに

モヤがかかっているようで
周りの景色が何も思い出せない

どうして…？

.

.

.

『思い出したくない記憶に封をしているのでは＿＿＿＿？』

.

.

.

まさか、

嘘をついていたのは…貴方なの？