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31片 ページ33

パルテビア。



私と彼の生まれた地。




私の生まれた村は
もう跡形もなくて


舗装された道。

その脇には
商業施設が立ち並んでいて…



なんの手がかりにもなさそうだ。



次は何処へ行こう?



何となく人混みを避けて
路地にはいって歩いていたその先。




「此処は…」





無造作に並ぶ石碑の列。



「お墓…?」




それにしては
あまりにも荒れ果てている



まるで、この場所だけ
時代から取り残されたようだった。



「踏み込むな。呪われるぞ」




誰もいなかったはずの背後からの声。



警戒しつつ杖を握りしめ振り返る




そこにはシワだらけの老父がいた




「此処はなぁ、昔に潰れた村の民を供養する為に建てられた墓地なのさ。形だけのものだが、踏み入れた者は祟を食らうぞ」



たたり…?



「特に女は駄目だ。」



「どうして?」



頭の中がチリチリと焼けるような感覚に
何かを思い出せそうな気がした



「…」



しかし老父はそれ以降口を開こうとしない
彼の視線は私の手の中____杖に向けられている。



「お前さんも早う立ち去れ」



しっしっ、と猫を払うような手振りをして
老父は私に背を向け路地の奥へと消えていった







.





.



.









〜シンドバッドside〜



「残酷とは…?」


ジャーファルの困惑を含む声が
部屋の中に響いた



「どんなに抗おうとも、運命は変わらないとそう言われている気分____最悪な気分だ。」


「王様…」



悲しげに眉尻を下げたヤムライハが
ぎゅっと杖を握り締める



もうそろそろ潮時だろうか。


話すべきだろうか『シンジツ』を。



虚飾で塗り固められたその中に眠るソレを
もう一度掘り起こして


そこに待っているのはなんだろう。



「なあ、ジャーファル」



「…はい」



「お前も知りたいだろう」



「何のことでしょうか」



「何故俺が、Aに記憶を取り戻させようとせず、再び彼女の弟を殺したのかについてさ。


Aは言った、『すべて思い出した』と。


あれはきっと、本来の記憶では無い」






「…どういうことです?」








眉根を寄せるジャーファルに





自分の罪を告白するように告げた。









「そのままの意味さ。


…Aは、2度記憶を無くしてるんだ」

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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです!続き早く読みたい。。!!夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(・ω・`;)ノ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます! (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜猫 | 作者ホームページ:https://twitter.com/tutimikado12113  
作成日時:2016年10月11日 21時

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