17.っていう嘘みたいな夢を見た ページ17
「…………そんなことある?」
チョコフォンデュの中にダイブしたみたいな甘すぎる夢から覚めると朝になっていた。
夢の内容を鮮明に思い出す。身体が熱い。取り敢えず布団を剥ぎ倒す。
顔を赤くし、青ざめさせた。
今日、どうやって接すればいいんだ。
*
*
*
「オイ侑、お前Aちゃんになんかしたん?」
「なんかって何や、何もしてへんわ」
「メッチャ今日よそよそしない?」
一緒に暮らし始めて、初めてのことだった。
姉のよそよそしさは侑も分かっていた。それでも不安に思わなかったのは、嫌われた訳では無いと気づいているからだ。
なんせ顔を赤くして逃げる。
まるで恋する乙女やな、とにやりと笑う。
「……え、なんなんその顔」
「落とせたんちゃうん?」
「何もしとらんやん」
…まあ、いかんせん何もしていないのに勝手に自滅しているのは気になるけども。
***
そう、壁ドンだ。
最近鼻カジ?とかマジ卍とか流行ってると思うけど。その中でも元祖的なアレだよね。
されてみたいよね、壁ドン。
そりゃもう、背の高いイケメンにドンってされて「逃がさない」みたいなこと言われてみたいよね、うんうん。
「なんで逃げるん?」
「俺らなんかした?」
2倍!!おんなじ顔が両側から壁ドン!!!
もうこれは2倍とかいうレベルじゃない。2乗だ。
ここまで来るとトキメキはない。恐怖を感じる。
「この期に及んでまだ逃げようとするん?」
腰をガシッと掴まれた。ひ、ひいいいいい
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作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時