短編小説or長編小説【キセ黄】2 (ページ12)

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砂時計は刻々と。《4》(とりま置いとく) ページ12

『神様、どうかまた皆とバスケ出来ますように』

『どうか、また会えますように』

－俺の願いは、黒子っち火神っちが叶えてくれた

だからもう俺はそれだけで充分なんだ。
あぁ、そうだ。最後に思い出が欲しいな

写真、皆で撮った写真が欲しい

明日は丁度、集まる日だからお願いしようかな。
多分これが最後の我儘だから、許して

俺はもうすぐお別れであろう海常の体育館を
目に焼き付けた。

－翌日－

今日は物凄い天気の良い日だった。
症状は何も現れておらず気分が良い。

神様が最後にお情をくれたのかな？

どうしようもない事が頭を過ぎる。
ここ最近で俺の頭、メルヘンチックになったなぁ

嘲笑しながら皆が集まっているだろう
ストバス場へ向かう。

黄「おはよーっス！」

なるべく元気な声で挨拶をすると
皆がこちらを見て、ニコリと微笑んだ

青「おっせーぞ黄瀬！」

黄「すんませんっス！」

黒「黄瀬君、遅いですよ」

黄「うわぁ！黒子っち、会いたかったスよ！」

紫「黄瀬ちんおせーし」

黄「ごめんっスぅ…ってソレ！新作のお菓子じゃないッスか！」

緑「だからお前はダメなのだよ」

黄「酷くないっスか！？」

赤「涼太、戯れていないで支度をしてこい」

黄「はいっス！」

まずはキセキの皆から。次に各相棒達

黄「久し振りっスね！和くん、火神っち、辰くん！」

高「おっひさー！一週間ぶりだね！w」

火「おぅ。」

氷「お久し振り、黄瀬くん」

返事を聞くと俺はすぐに自分の支度を始めた。
他の人は皆支度済んでいて後は俺だけだった

俺が鞄の中を漁っていると

キーン、また甲高い音が聞こえてくる。
それと同時に頭が割れるような痛み

でも取り乱したり痛がったりリアクションをしなかった

もう慣れてしまっていたから

痛いことは変わりないんだけど
リアクションをするのは我慢できるようになった

でも、今日の頭痛は一番酷いな。

あぁ、そろそろ死ぬっていう警告か。
こんなのしなくても分かってるのに

今日だけは、今日だけは自由にさせて

俺は鞄から取り出したカメラを持って皆の所へ
駆け寄った。

黄「ねぇ、皆！お願いがあるんスけど…」

高「どったの涼ちゃん？」

赤「どうしたんだい？」

黄「皆で、写真。撮らねっスか？」

問うように尋ねるとみんなは顔を見合わせて
盛大に吹き出した。

黄「な、何で笑うんスかぁ！」

青「いや、おまっ！写真ってwwwwwwwww」

火「なに女みたいな事言ってんだよw！」

恥ずかしくて顔が熱くなる。