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Cosmic ページ6

「はぁっ、無理!お腹すいたっす〜!!」

 ある日、不意に聞こえた背後からの大きな声にびくりと肩が跳ねた『なずな』。
 振り返れば、部屋のドアに背を預けた……あの子は……『にき』ね。その子がいたわ。

「ニキはん、さっきもなんか口に入れてへんかった?」

「あれだけで足りないっすよ〜……ちょっと僕、食べ物探してきますっす」

「椎名……って、もういませんね。全く……」

 次々と出てくる彼らは【MDM】で見たことのある子達。『しゅう』たちと同じコズプロに所属している、四人組。

 四人全員が集まっているのはなかなか見ないけれど、一人一人なら私たちもちょくちょく顔を合わせているわ。

「……あ」

(……あら)

 ふ、と目が合ったのは『ひめる』。正直彼は、謎が多すぎてあまり深く触れたくはないわね。

 まぁ、それはいいとして。

「こんにちは。今日はご一緒なのですね」

「え、あ、あぁ……お前らは、大変そうだな……?」

「ええ、全くです。Aさんが傷つかないよう、くれぐれも気をつけてくださいね」

 そういえば、『ひめる』は初対面のときから私のことを知っていた。どうやら同じ事務所の『いばら』に聞いたらしいわ。

 でも、『いばら』とは直接面識はないはずなのだけれども。不思議ね、『しゅう』や『みか』が話したとは思えないし……?



 このES内では不思議なことが絶えない。

 『アレ』はきっとそう思っているのだろうが、大半は我々の仕業だ。

「まぁ、スタプロの礼瀬マヨイを除いて、ですけど」

 そう呟いて固まった肩を回せば、パキパキと音がした。

「ねぇ、茨……茨?」

「あ、ハイ!何でしょうか!」

「……やっぱり、いい……」

 全く、つくづく周りのやつらも手のかかる。

「茨、そろそろ切り上げてくださいねぇ〜?」

「アイ、アイ!……というかジュン、また筋トレしてました?」

 PCはまた使うからスリープモードに。

 どうせ、こちらに大事なものは入っていないから大丈夫。

 ぱたん、と静かな音を最後に扉は閉められる。

「茨、何してたの?見た感じ、コズプロ云々の書類じゃなかったけど……」

「おや、閣下に見られていたとはお恥ずかしい!ですが、一応コズプロにも関係してくる要項だったので。まぁ、我ら『Eden』にはあまり関係のないことですので忘れてください!」



 コズミックプロダクション。通称、コズプロ。

 彼らは、『どっち』?

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作者名:竜花 | 作成日時:2020年7月8日 23時

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