【あんスタ】幸せ記録【逆先夏目】 (ページ15)

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13枚目　最終ページ15

「ねぇ、最後に撮ったのっていつ？」

「？」

「写真」

　黒板に真新しいチョークで落書きをしていながら昔話を語っていれば、そう聞かれた。

　最後、最後……頭の中で考える。

「あァ、すごくどうでもいい写真なんだけド……聞きたイ？」

　落書きの手を止め、彼女に視線だけを向ける。

　ものすごい勢いでぶんぶんと頷く彼女は少し面白くて、つい笑みが零れた。

「……」

「笑わないでよ、っテ？アハハ、ごめんネ。だって子猫ちゃんが可愛くテ」

「……」

「ごめんネ、からかいすぎちゃったかナ。」

　そういえば、どことなく似ているような。

　最後に撮ったあの子(・・・)に。いいや、気のせい気のせい。だってあの子はボクと同類、男だから。

｢……？｣

「最後はネ、ただ商店街で出会った、平凡な中学生。」

　とある出来事を機に、なんとなく会うようになっただけの友達とも、知り合いとも言える薄っぺらな関係。

　名前は……聞いてなかった。

「別に、偶然知り合った中学生を撮っただけだヨ」

　微妙に曖昧な部分を思いだしながら、ボクはまたチョークで黒板に落書きをする。

「……絵、かわいいね」

「ありがとウ、と言うべきなのかナ？」

　子猫ちゃんことあんずちゃんには、曖昧な部分だけで説明したけれど。

　お陰で、少し思い出せた気がする。