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「私がおまえを殺してしまったら、子どもたちはどうなるだろうね?」





モリーの呪いが右に左に飛んでくる中を跳ね回りながら、ベラトリックスは主君同様、狂気の様相でモリーをからかった。





「ママが、突然いなくなったら?」

「おまえなんかに――二度と――私の――子どもたちに――手を――触れさせて――なるものか!」






ウィーズリー夫人が叫んだ。 ベラトリックスは声を上げて笑った。いとこのシリウスが、ベールの向こうに仰向けに倒れたときの、あの興奮した笑い声と同じだった。

その時突然、モリーの呪いが、ベラトリックスの伸ばした片腕の下をかいくぐって踊り上がり、胸を直撃した。心臓の真上だ。 ベラトリックスの悦に入った笑いが凍りつき、両眼が飛び出したように見えた。ほんの一瞬だけベラトリックスは何が起こったのかを認識し、次の瞬間、ばったり倒れた。

周囲から「ウオーッ」という声が上がり、ヴォルデモートは甲高い叫び声を上げた。マクゴナガル、キングズリー、スラグホーンの三人が仰向けに吹き飛ばされ、手足をばたつかせながら宙を飛んでいる姿だった。最後の、そして最強の副官が倒され、ヴォルデモートの怒りが炸裂したのだ。ヴォルデモートが杖を上げ、モリー・ウィーズリーを狙った。





「プロテゴ! 護れ!」






どこからか、誰かが大声で唱えた。すると「盾の呪文」が、大広間の真ん中に広がった。ヴォルデモートは、呪文の出所を目を凝らして探した。そのとき、ハリーが「透明マント」を脱いだ。 衝撃の叫びや歓声と、あちこちから湧き起こる「ハリー!」「ハリーは生きている!」の叫びは、しかしたちまちやんだ。

ヴォルデモートとハリーがにらみ合い、同時に、互いに距離を保ったまま円を描いて動き出したのを見て、見守る人々は恐れ、周囲は静まり返った。






「誰も手を出さないでくれ」





ハリーが大声で言った。水を打ったような静けさの中で、その声はトランペットのように鳴り響いた。






「こうでなければならない。僕でなければならないんだ」






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ササミ - 素敵な作品をありがとうございます。この作品を楽しみに過ごしておりました😊キャラへの解像度が高く、この世界が存在すると錯覚するほど引き込まれました!難しい事は承知ではありますがr18の公開も心待ちにしております🙇‍♀️ (4月30日 23時) (レス) id: d357fa134f (このIDを非表示/違反報告)
名無し18156号(プロフ) - すごくすごく面白かったです!!このお話が日々の生き甲斐でした😭😭本当に素晴らしい作品をありがとうございます!! (2月16日 23時) (レス) @page50 id: 83faa383a3 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - 初めて感想書きます!本当に面白かったです😭原作にリスペクトを感じるし後半なんてローリング先生が書いてる?!と思うくらいでした。R 18めちゃ楽しみにしてます!笑 (2月7日 22時) (レス) id: 0dcec4387c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - urakr396さん» ありがとうございます!アワーッ過去作から……嬉しいです………ありがとうございます😭😭🙏更新頻度は年々落ちてしまっているのですが、頑張ります…🎶 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Konono19さん» ありがとうございます…!!R18のほうはなかなか公開できずにいるのですが、たぶん…そのうち…!!!!😭こちらこそ、長いのに見てくださってありがとうございます🙏🙏 (1月29日 7時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月7日 23時

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