六話 ページ8
ざんッ、という音で地面が抉れた。
かごめがギリギリで避けたから助かった。
こいつ、本気で狙ってるよ__。
そう思って止めようとして、「待て」と楓に言われた。
反論しようとして振り向くと、楓は何か数珠のような物を持っていた。
きょとん、とした表情で首を傾げる。
するとそれは、犬夜叉の首に巻きついたでは無いか。
「かごめ、魂鎮めの言葉を!」
___あぁ、あれか。
その言葉で何となく正体が分かった。
犬夜叉を鎮めるには、それしかないしな。
「 おすわり!! 」
ビタン、と勢いよく犬夜叉は地面に叩き付けられた。
「おすわりって、なかなか面白い言葉選んだな。」
やはり付けられた本人は、納得が行かないらしく。
楓をその爪で引き裂こうとしたのでまたおすわりをやられた。
…朔夜は苦笑いを零していた。
──────
・ 朔夜視点
「どれ、腹の傷をお見せ。」
村に帰り、かごめは楓に手当してもらっている。
一方、いきなり枷(言霊の念珠)を付けられておすわりをくらったこいつはぶすくれている。
大体こいつは女の子に「引き裂く」言葉使いやがって、いくら桔梗に似てるからってそれはない。
あたしは桔梗が苦手だけど、引き裂こうとは思ったことないもんね、ヘッ!
「しかし、困った事になったな…四魂の玉再びこの世に出てしまった以上――――それを狙う、悪しき者どもが群がってくるだろう。」
そうだ。
このご時世、四魂の玉を手に入れてしまえば色んな事が出来る。
国を治めることや、一度亡くなった人を甦らせるとか、何だって。
「…あんた、なんでこの玉欲しいのよ。」
不意に、かごめが聞いた。
犬夜叉は答えもしなかった。
「強いし、こんな玉の力借りなくたって…」
「そやつらは半妖ゆえ…」
待て、何故あたしまで一緒くたにした。
あたしは四魂の玉狙ってねぇんだけど、ほんと。
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作者名:彼岸桜藍@病み上がり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/5258936042/
作成日時:2018年11月29日 0時