遠慮しない ページ15
「……ごめん……。
泣かせるつもりは…………」
Aの涙に御幸も戸惑う。
いつも自信たっぷりに上がった眉毛も、今は情けなく下がっている。
Aは大きな目いっぱいに涙を溜めて御幸を見上げた。
「ねぇ、どうしちゃったの?変だよ、御幸……。
私の知ってる御幸じゃないよ…………」
「………………なぁ、
Aの知ってる俺ってどんなやつ?
小学生の俺?中学生の俺?
俺だって成長してんだよ。
…………今の俺をちゃんと見てくれよ……A……」
意志の強い瞳で見つめられ吸い込まれたかのように目がそらせない。
「A……」
愛しい人を呼ぶような甘い声で囁くように名前を呼ばれた
「……み、、ゆき……」
壁についていた御幸の手がゆっくりゆっくりAの頬に触れる。
ゴツゴツした大きな手に頬を包まれる。
「……耳まで真っ赤だな。
もう遠慮しないからな」
そのまま御幸の顔が耳元に近づいてきて、ぼそっと
「哲さんには負けねーよ」
とつぶやいた。
「じゃあな!あ、ノート明日コピー取らして!」
パッと離れて御幸は後ろ姿で手を上げて去って行った。
Aは触れられた頬に手をあてたままその場に座りこんだ。
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510kana5M(プロフ) - しぃふぁさん» 初恋はボーナスエピソードがちょっとだけあります。この小説の続編でとべますよー。 (2015年5月31日 17時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
しぃふぁ - 続編も読ませてもらいました! やっぱり御幸はかっこいい/// 番外編とか作る予定はないんですか? (2015年5月31日 16時) (レス) id: 8145a9f255 (このIDを非表示/違反報告)
510kana5M(プロフ) - しぃふぁさん» ありがとうございます。初めて書いた小説をほめてもらえて感激です(○´∀`○)1年生の話は完結してますが、続編あるのでそちらもお願いしますw (2015年5月31日 13時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
しぃふぁ - 初めまして! しぃふぁって言います! この作品を見つけて、初めは題名からだったんですけど読んでみたら止まらなくて…。 めっちゃ面白かったです! 御幸の嫉妬が可愛かったww これからも頑張ってください♪ (2015年5月31日 11時) (レス) id: 8145a9f255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:510 x他1人 | 作成日時:2015年2月27日 22時