【御幸】初恋 first episode＊.*・。

恋バナ ページ12

桜の木も葉っぱでいっぱいになり、突き抜けるような青空が広がる。

高校生活にも慣れてきて楽しくなってきたと思ったら初めてのテストが近づいてきていた。

部活動もテスト前で休みになる。



「A！部活今日から休みだよね？帰る？」

「うーんどうしよっかなー。ちょっと勉強して帰ろうかな……真希は？」

「勉強かぁ〜したくないなー。でもこのまますぐ帰るのもつまんないし。
　Aの恋バナでも聞きたいな〜！」

「えぇっ？！恋バナって……ちょっと真希、なんもないから……からかうのやめてよ！」

「練習たまに見に行ってるんでしょー？？なんか進展はないの？！せ・ん・ぱ・い・と！！」




「…………なんもないのわかってて言ってるでしょ。いじわる。。」




あの4月の出来事以来、結城先輩とは顔見知りにはなったものの、特別なことはなにもない。
先輩なので廊下ですれ違ったりもほとんどなく、たまに遠くから練習を見に行くだけだ。


ブラスバンド部の練習が終わってからだと暗くなってきたりするので、早く帰れと御幸にうるさく言われたりしてなかなかそれもできなかったりする。

休みの日は朝から選手たちのサポートをすることもあるけど、あまり役にたってない気がしていた。





「でもさ〜このまま遠くから見てたって仕方ないでしょうよ！！積極的にアピールしてかなきゃ！！
　A高校生になったら彼氏ほしいって言ってたじゃん！？」

「う、、ん〜それはそうなんだけどね……
　どうしたらいいか分かんないし、自信ないんだよね」

「なに言ってんの！！好きです！って言っちゃえばいいんだって。あたってくだけろ！」

「…………修復不可能なまでに砕けそうなんだけど……。
　でもね、いいんだー。遠くから見てるのも好きなの」

「えーーー私には分からないわ！」

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