29.たった一つ上 ページ30
私は赤司くんに指定された場所で待っていると前から制服姿の赤司くんが歩いてきた
その姿におもわず魅入ってしまった
年上と言っても変わるのはたった一つのなのにこんなにも 違うのかと思わせるくらい赤司くんは大人だった
赤司「待たせてすまなかった 」
『いえ その制服って たしか……』
赤司「洛山高校だよ? 」
洛山高校……確か 遊実も同じ高校だった気がする
赤司「どうかしたかい?」
『あっいえ! 』
私達はそのままお昼を食べるためにレストランに向かった
友達同士で来るようなところじゃないだろう
とても高級な場所だ それでもそこになんの緊張も感じない
赤司「普段からここのお店は来るのか?」
『あっはい 昔から母が気に入っていたので』
赤司「今お母さんは?」
『一緒には暮らしてません 時々会いには言ってます』
母はずっと病気で 今も入院している
と言ってもそんなに深刻な訳では無い
『赤司くんのお母さんは?』
赤司「俺が小さい時に亡くなったよ 」
『そう……だったんですね すみません』
赤司「きにしなくていいよ? それに赤司くんじゃなくていい 征十郎って呼んでくれ そうの方が君の父も俺の父も満足するだろう 敬語じゃなくていいからな」
やっぱりそうだ この人も 私と会うことなんて望んでないただ 父の命令だからだ
『わかった って感じかな?』
赤司「少しずつ慣れてくれればいい」
『ありがとう』
美味しいパスタを食べる度に母ときた思い出が蘇る
赤司「いつも君のお母さんが食べていたのは?」
『今征十郎が食べてるやつだよ 懐かしいなって思って見てた』
赤司「そうか すごく美味しいよ 」
私達はそのまま学校の話や趣味の話をしてお昼を食べた 父が気に入った人だからもっとお堅い感じかと思ったら 征十郎は私の話をしっかり聞いてくれるとてもいい人だった
赤司「このあと少し行きたいところがあるんだがいいか?」
『えっ……あっはい いいよ』
さつきちゃんに誘われてるけど今日は諦めた方が良さそうだな
私はさつきちゃんに今日は行けなそうと連絡して
征十郎について行った
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作者名:みちこ | 作成日時:2018年1月5日 14時