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47.狙撃 ページ9

太宰side

A「太宰幹部、今日は絶対に私の側から離れないでくださいね」


殲滅任務の直前、彼女は徐に口を開いた
私は数度瞬きをしてから戯けて答える


太「おや、それは新手の口説きかい?」


そう云うと、彼女は怒ったように少しだけ頬を膨らませて此方を見た


太「冗談だよ。それにしても、何故急に?」


A「少し……嫌な?感じが、して」


歯切れ悪く、小さく首を傾げながら言葉を探して彼女は答えた
私はそれに小さく答えた


太「そう」

.


太「ある程度終わったかな」


建物内には撃たれて動かなくなった者が彼方此方に倒れていて、血の臭いが充満している

すると、何処からか鋭い殺気を感じた
どうやら狙撃手あたりに狙われているらしい

此処で死ぬのも一興
そう思い、何もせずその場に立っていたら


A「っ?!太宰さっ」


太「なっ?!A!!」


狙撃手の殺気に気づいたAが私を突き飛ばし、代わりに撃たれた


A「っぐ、っ!!」


彼女は撃たれた反動でよろけたが、なんとか持ち堪え狙撃手に向けて発砲した

何処か遠くで何かが落ちる音が聞こえた。恐らく狙撃手に着弾したのだろう。流石の腕前だ

それを認識した後、彼女は後ろに倒れた。彼女の倒れる瞬間が、酷くゆっくりに感じた
私は急いで彼女を抱える


太「Aっ」


A「いっ、はぁっ、太宰さ、怪我は?」


太「ないよ、ない」


彼女の腹部から血が溢れてきている。恐らく着弾したのは2発だ。背中に銃槍がないことから、弾が貫通していないことが伺えた。その事を無線で医療班に伝える

私はジワジワと染み出してくる血を止めるために自分の外套を彼女の腹部に強く押し付けた


A「なら、よかっ、た」


太「もうこれ以上喋るなっ。もうそろそろ医療班が到着する。それまで頑張れるね?」


A「あはは…流石に、そういうのは、むずか、しい、よ」


青白い顔で戯けるように笑った後、彼女は意識を失った


太「Aっ!!」


その後直ぐに医療班が到着し、彼女を本部の医務棟まで運んで行った

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作者名:紫乃 | 作成日時:2023年1月30日 17時

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