. ページ15
慌てて2人の間に割り込んだ
そして、私は今にも手を出しそうだった美琴の方を向き太宰さんに背を向けて話し出す
A「美琴落ち着いて!イライラするのもよく分かるけど、あくまでも教えてもらってるんだから、暴力は駄目だよ!!」
美「るせぇ!良い子ちゃんが!!」
A「い、良い子ちゃん?」
太「Aの云う通りだよ美琴ちゃん」
美「っ!!」
A「太宰さんっ」
何で落ち着かせようとしてるのに急に割り込んでくるの太宰さん…
そう思って太宰さんの方を向いた瞬間、美琴から凄まじい殺気を感じた
こっちもこっちで何とかしなければ
と、思ったら、急に殺気が止まった
美琴の視線は私の肩に向いている
私も自分の肩を見ると
A「へっ?」
さっき遊び半分で作った得体の知れない2頭身が肩に乗って、美琴を落ち着かせるためにその短い腕を一生懸命に伸ばしていた
美「A、なんだそれ」
A「えっ……と、よく分からないんだけど、私の異能?」
太「異能生命体も作り出すのかい?」
A「多分、そういうわけじゃ、ないと思うん、だけど」
私は掌にそれを乗せて、内心首を傾げていたら、それも首を傾げた
A「私の心情や行動と連動するみたい」
美「へぇー」
と、暫しの沈黙
美「何か、もうどうでもいいや…」
太「うん…」
2人は力が抜けていた
心なしか美琴、やつれた顔してるような…
どうすれば元気が出るかな?
お花でもあげる??後で買ってきてあげようかな
そんな事を思っていると、2等身のちっこい奴は私の手から飛び降りて美琴に近づき、一輪の氷の花を出した
美琴はちっこい奴を見た後に私の顔を見て、2、3度瞬いた。そして、勢いよく吹き出した
美「…ぷっ、あっはは!元気出せってか?全く、アンタには嫌になるよ」
A「え、私?!」
美琴は腹を抱えて笑っている
美「はぁ…ありがと。貰うよ」
そう云って花を受け取っていた
何だか気恥ずかしいんだけど。え、私の気持ちとかがダダ漏れってことでしょ?もう作るのはやめよう
そう思って、しゃがんで地面に立っているちっこい奴に手を振って、そのまま昇華して頂いた
166人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫乃 | 作成日時:2023年1月30日 17時