DATE15 ページ16
ソウ
「これは…最初の試練で…？」
Qタロウ
「そうじゃ。寧ろ、この箱を持っていくんが最初の試練の内容だったんやが…」
ジョー
「え…！？最初の試練って、内容違う人もいるのか？」
これは少し新しい展開だ。
私達は少し内容は違うが、今までの人達の証言だと、最初の試練では下手をすれば命に関わっていた。
しかし、それが箱を持っていくだけのものとなれば、それは人によって差が出ることになる。
この差は、ここではどういう方向に転がるのか…
ケイジ
「その話は後。まずはこの箱、開けてみよーか」
Qタロウ
「開かんぜよ。鍵穴があるっちゃきに」
ケイジさんは、脱線した話をしっかりと修正する。
最初の試練について考察していた私は、間接的に責められた感覚に陥って、萎縮してしまう。
Qタロウさんの話に箱をよく見ると、箱には鍵穴が三つついていた。
A
「鍵なんてありましたっけ？」
ケイジ
「サラちゃん、Aちゃん、何か手はないかな」
サラ
「え…！私ですか……」
A
「私もですか……」
なんとケイジさんからまたご指名を貰う、それもまた私とサラさんだ。
理由を問うと、「その戸惑う感じが面白いからね」と返ってくる。
理由になっていないが、託されたからにはそれなりに頑張るべきだろう。
二人で顔を見合せ頷いて、箱の調査に取りかかる。
サラ
「そのままじゃ開かないな」
A
「私は何も持っていないので…サラさん、何かありませんか？」
鍵を手にいれないと、この箱を開けることはできないだろう。
サラさんには思い当たる節があったようで、ポケットを探り何かを取り出す。
それは緑の鍵で、先端は少し削れており赤くなっていた。
サラ
「入った！」
ナオ
「私達の鍵も使えますか！？」
サラさんの使った鍵はしっかりと鍵穴に入り、それに続いてナオさんも鍵を取り出した。
静かに差し込み捻ると、カチリ、となんだかスカッとする音が鳴る。
あと一つはカンナさんが持っているものだが、生憎彼女は今行動不能な状態だ。
サラさんがカンナさんの服を探り、ポケットから緑色のままの鍵を取り出す。
それを見て、サラさんは顔を歪ませながらも、三つ全ての鍵を差し込んだ。
ケイジ
「よーし、危ないかも知れないし、お巡りさんに任せてー…あれ？」
A
「ト、トクっ！？何してるの！？」
皆に下がるようケイジさんが忠告したが、なんとトクがそれを無視して箱を手に持ったのだ。
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