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レコさんの反応に続いて、各自が各々の反応を見せる。
恐怖を露にする者、弱気になる者、自分なりに考察する者、特に変化が見られない者。
私は、一番最初の例に当てはまるだろう。
まだ冗談だと信じたい自分がいたが、カンナさんの話を通して…あの最初の試練は本物だということを突き付けられた。
そうなると、もういつ自分の人生が終わってしまうのか、そればかりが頭を支配するようになってしまう。
気づけば、私は先ほどのカンナさんのように酷く震えており、それを抑えるさめに隣にいるトクの手を強く握り締めていた。
手を繋いでも、震えは止まらなかった。
___そして気づいた、彼女も…トクも震えていることに。
思えば、トクの心だって今はボロボロじゃないか。
私のせいで偽名の作戦は失敗し、信用はだだ下がりで、しかも死と隣り合わせの状況で。
何時もへらっとしているようで実は冷静な、頭の回転の早いトクでも、人間である以上は恐怖がつきまとう。
そうして今考えると、どこかおかしかったではないか。
いきなり偽名なんて持ち出して、いつバレるかもわからないのに。
あの愚行は焦りだったのかもしれない。
A
「……トク、私も、私もトクを守るから」
トクを安心させたい一心で、出任せを口走る。
こんなか弱く頼りない私に、自分の身すら守れない私に、彼女を守るなんて大役は出来ないだろう。
でも、今だけ嘘をつく。
トク
「……すまん、アタシが守るべき立場なのに」
申し訳なさそうにするトクだが、幾らか顔色がよくなった気がする。
私の嘘でも通用してしまう程、彼女にはガタがきている。
正直、心配でならない。
ケイジ
「とりあえずあれだ、お互いここで手に入れた物を確認しないか?」
カイ
「良い案ですね」
トク
「ほー…成る程ねぇ」
こういう案が出るということは、ここに来るまでに何かしら手に入れたものがある、ということだ。
しかし、私達が手に入れたものは何もない。
タブレット端末は机に固定されていたし、持ち運べるようなものは今まで見てこなかった。
Qタロウ
「ザッツちょうどええ、言おうと思ってたんさ。こんなもん拾ってよぉ」
Qタロウさんはそう言うと、どこからか箱を取り出した。
木でできた大きな箱で、一辺が30cmほどの立方体になっている。
ギン
「でっかい箱だニャン!」
トク
「なんか入ってそうだね」
ナオ
「スイカ一つは入りそうですね…」
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