Chara Change ！ 0 - ① 《藤咲なぎひこ》 (ページ6)

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次の瞬間、目の前が見えなくなるほどの強い風が巻き起こった。
何が起こったのか分からず、顔を覆っていた手を退けると、そこにはさっきのイクトと呼ばれた人はいなかった。

目の前には唯世の険しい顔をして立っているだけだった。

唯「…ほんとにあいつは」

『さっきの人、なに…？』

唯「月詠イクトって言って、エンブリオじゃないたまごまで狙う悪いやつだよ」

『エンブリオ？』

唯「エンブリオって言うのは…何でも願いが叶う魔法のたまご、って言われてるんだ」

なんでも願いが叶う魔法のたまご…

な「辺里くんはそれを探してるの。私たちはそれのお手伝いみたいなものね」

『ふーん…』

よく分からないけど、皆が手伝ってるなら私も手伝ってあげようかな。
世界征服っていう夢も面白いし、悪くはなさそう。

な「さ、今度こそほんとに帰りましょ」

唯／『うん！』

3人でロイヤルガーデンを出ると、唯世は理事長に用事あるから、と言って学校に戻った。
そこで2人とは別れた。

カ「ねえねえAちゃん」

『ん？』

少し歩くと、カリンが私の髪の間からひょこっと出てきた。

カ「さっきのイクトって人、猫のしゅごキャラがついてた！」

『そうなの？じゃあ、猫耳と尻尾はキャラチェンジしてたってこと？』

カ「そう！結構強い感じがするからあの人には気をつけた方がいいかもね～」

気をつけろって言われても…猫って気まぐれって言うし、いつどこで会うかなんて分かんない。

まあ警戒だけはしておいた方がいいかも。

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