なんてこった 2

ななじゅさーん ページ25

「う"ぇ…頭痛い……」



昨夜中原の相手をしていた玲

目が覚めた瞬間頭が回るよりも早く、昨日の残り酒で視界が回る

口の中の水分が不足した気分が良いとは云えぬ感覚を味わいながら風呂場へと向かう


シルクのベッドシーツに沈む元上官は我関与せずと言わんばかりにスヤスヤと寝息を立てている


安酒では無かった為悪酔いはしなかったが、自分だけオフの日に誘いやがったな。と恨めし顔を向けてしまうのは許して欲しい





「あ〜〜……お風呂作った人にノーベル平和賞あげたい気分。あんたが大将だよ…」



等と何時も通り訳の分からない独り言を呟きながら、何時もより熱めのシャワーを浴びる


気を抜けば水人間になり一緒に排水溝へと流れてしまいそうな気になりつつ、気だるさだけを流して風呂を後にする




「中原さーん」

「………」

「超絶美形さーん」

「………」

「ちびっこまふぃ」

「あ"？」

「絶対起きてたじゃん。フリじゃん。言えって流れだったじゃん。めっちゃ怖いごめんなさい圧縮シーツにしないで僕の布団」




まるでコントの様な会話をしているが、中原の目は二日酔いも相まって普段以上に人相が悪い

目つきで人殺せる。レーザービーム出そう


一瞬鉄パイプで出来たベッドの骨組みがミシリと音を鳴らしたが、聞こえなかった事にしよう

今日の夜もふかふかベッドで寝たいから





「朝飯どうします？僕作りましょうか？」

「あー、頼むわ」

「ういっす！100万円でお願いしますね！やっぱ嘘」




ｷｭﾋﾟﾝッ！と効果音が付きそうな決めポーズをお披露目したが、すぐさま真顔になってバツ印を水で作る


100万円なんてポートマフィア幹部様からすれば現金でポンっと出せる額だ

何だこの人怖い。てか100万円の朝飯ってなんだ。トリュフ丸かじりでもすんのか




「水置いとくんで」

「おーサンキュ」





原材料は僕の体液です☆




玲の顔面にペットボトルがめり込むまで1秒前





「頂きます」

「召し上がれ！だーりんっ」

「朝から元気だな、お前」



巷で噂の指ハート！と何故かドヤ顔で指ハートもどきを見せびらかす玲に半目になりながら味噌汁を喉に流し込む


初め頃は一言一句にツッコんでいたが、4年も経つとそれすら無くなる。熟年夫婦臭を醸し出している





「指ハートで指つるかと思った焦った」

「味噌変えたか？」

「出汁変えました〜アサリメインですよ」




二日酔いの日は100万円のトリュフよりもアサリが良い

終わり ログインすれば
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