監督生のカントクセイ【ツイステ】

氷の蕾 2 ページ10

sisterに連れられて一軒の家に上がった。

「mam！Aが来たわよ！」

sisterがそう呼ぶ。

「あら、Aちゃんこんにちわ。あなたの次の子が生まれたわ。良かったわね！」

mam、と呼ばれた女の人は腕に抱いていた小さな赤ちゃんを見せた。

そもそもユキノコとは、私が暮らしている四季の国の雪の街の象徴のアイスドラゴンに選ばれた子の事だ。

その子は白い髪に水色の瞳を持つと言われている。

そして、ユキノコの座が変わる時、私は王都の城に連れていかれるという。

「A！王都に行けるわね！良かったわね！」

mamは嬉しそうに微笑んだ。

王都はそれはそれは素晴らしいところだと言う。


みんなの憧れらしい。
私は魅力を感じなかった。

私はこの街が好きだから。
この街でずっと居たかった。

「私──。」

「A。」

私が言いかけた時、誰かが私を呼んだ。

「........！ヘイル！」

私の友達のヘイルがそこに立っていた。

「帰ってたんだな。」

「うん、まあね。」

私とヘイルは外を歩いた。

「新しいユキノコが生まれたから、お前とは離れ離れだな。」

「.....ふふ、寂しいの？」

ヘイルのその言葉にそう言うと、ヘイルは空を見上げて言った。

「そりゃあ、そうさ。Aが居れば何してても楽しくなるからな。」

「ほんと？ありがとう。」

そんな会話をしながら歩いていくと、

「あ！A！それにヘイル！！」

前から走ってくる子が見えた。

「シャルイ！久しぶり！」

もう一人の大切な友達、シャルイが居た。

「あ、お手紙で帰ってきたんだ。」

「いや、違うよ。なんか帰りたいなーって思ったらタイミングが合っただけ。」

抱きつくシャルイの頭を撫でながらそう言った。



今だけ、嫌なことも全部忘れて笑顔でいれた。









.









ピシッ
小さな亀裂が重なって、大きく隙間が空いた。

氷の蔦→←氷の蕾

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す