監督生のカントクセイ【ツイステ】

氷の葉 ページ7

コンコン、控えめにドアをノックする音が部屋に響いた。

僕は誰だろうと思いながらドアを開くと、

「あれ、トレイとケイト..........何があったの？」

そこにはハーツラビュルの二人が立っていた。
その表情から、何かあったことが直ぐに分かった。

「A、少しいいか。」

「ちょっと確認したいことがあるんだよね〜」

僕はその二人の言葉に頷いた。





「........え、ユウちゃん......？」

二人に連れていかれた先はハーツラビュル寮の寮長室だった。

そこでは、虚ろな表情のユウちゃんがエース君とデュース君に抱きしめられていた。

心做しか二人の視線が鋭かった。睨まれているような気分がした。

「A、さっきまで何をしていたんだい？」

リドルにそう聞かれた。

「図書室に行って本を借りた後に、寮に戻ってそれを読んでたよ。」

僕は素直に答えた。

「監督生がどこに行ってた、とか知っていたかい？」

リドルはまた僕に質問した。

「いや.....。それは知らないな.....。

ユウちゃんは一体何があったの？」

「しらばっくれないでくださいよ」

僕がユウちゃんのことを聞くと、エース君がそう声を上げた。

「え.......？」

「エース！まだそうだと決まったわけじゃない。勝手に決めつけるな。」

トレイがエースの止めに入った。

「はぁ？この状態の監督生から名前が出たんじゃないっスか。一番疑わしいでしょ。普通」

エースが僕を睨みながらそう言った。

「何を、言っているのか分からないんだけど....。」

何故僕が悪い人のような立場になっているのか分からずそう聞いた。

「監督生は、誰かに襲われたらしいんすよ。それでその犯人はA先輩の可能性が高いって事！」

「........は、」

ユウちゃんが襲われた？？

誰かに？？

そして僕が犯人になりかけている？？



衝撃だった。

僕のことは違うから誤解を解けばいいが、ユウちゃんは？

「ユウちゃんは、大丈夫なの.....？」

「大丈夫じゃないです。ショックが大きすぎて言葉もままなりません」

デュース君がそう言った。
その言葉に嫌気が見えた。

「ユウちゃん.....」

僕はユウちゃんに一歩近づいた。

エース君とデュース君が一気に警戒を強める。
でも構わず進んだ。

「ユウちゃん？僕だよ。Aだよ。聞こえる？」

ユウちゃんの目の前でしゃがんで顔を見た。

その瞳が揺れ、僕を捉えた。

「自作自演？」

「僕の寮の寮生を心配して何が悪いわけ？」

僕はエース君に言った。

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